見出し画像

スペシャリティーにおけるサステナビリティとその課題

こんにちは、エスプレッソエンジニアのMark です。

 この投稿では、スペシャリティーコーヒーにおけるサステナビリティと、その直面する課題について紹介します。

 珈琲業界におけるサステナビリティには各社多種多様の視点があり、環境面だけでなく社会的に優れたコーヒー豆の供給も重要になってきています。

 一般的にどの業界においても、サステナビリティは環境面だけにフォーカスした意味合いだけでなく、社会性(人に優しい)、経済性(安定供給や、ビジネス性)等も含めた戦略が重要となっており、持続可能な珈琲豆の供給には、この3点が重要になってきます。

 コーヒーを飲む方にとってのサステナビリティとはなんでしょうか。もう一度考え直すきっかけになれば嬉しいです。


品質重視の栽培

コーヒー農家の取り組み

 スペシャルティコーヒーの農家は、品質を非常に重視するのが特徴だ。栽培では農薬の使用を減らすことで、珈琲栽培で重要な土壌の健康向上を促進することになる。生物多様性の向上が期待でき、生態系のを保護につながるため、持続可能的な栽培とよく言われる。

珈琲栽培の課題

 一方、品質重視の栽培では、近代工業で得られた量産性の側面を失うことにもなり、「自動化<手動」という概念を持ち込むのが必ずしも環境や経済にとっていいとは限らない。品質と量産性の両観点でサステナビリティの最高が必要だ。

公正な報酬とサプライチェーン

ダイレクトトレード:

 スペシャルティコーヒーは、ロースターと農家との間に直接的な取引関係を築くことが多いと言われてる。これにより農家にとって、比較的公正な取引が可能になり、これがサステナブルな農業経営の理由となっている。

供給における課題

 小規模なスケールのスペシャルティコーヒー農家と直接取引関係にある場合、常に需給バランスに悩まされられる。小規模が故に、気候変動による不作、供給源増加による価格変動は、小規模農家の経営という面ではいずれにせよ課題が残る。


地域社会でのエンゲージメント

農家コミュニティに対する貢献:

 スペシャリティーコーヒーは農家が特定できるため、それぞれのコミュニティに対する道徳的・倫理的貢献に消費者はコミットできます。消費者はこのコーヒーの生産者との社会的つながりを得ることで、生産者に対し貢献している構図にができます。
 直接的な関係を築き、地域コミュニティを支援することで、スペシャルティコーヒー産業は地域レベルでのサステナブルな開発に貢献できます。

トレンド追従における課題

 コーヒー農家は現農家で作るコーヒー豆に特化した技術を持っていることが多くあり、消費者やマーケットのトレンドへの技術的追従が難しいことがある。常に市場の変化を察知しトレンドを作る・追従することが必要になることがあり、長期的なビジネス構築という目的においてはまだ疑問が残る。

生産元の透明性

消費者にとっての安心

 スペシャリティーコーヒーはトレーサビリティが比較的はっきりしていることが多いため、焙煎元やカフェで直接納入した豆の特徴や農家のことを知ることができる。これは消費者が安心して消費できるだけでなく、農家にとっても認知度やブランドを上げるために役立つ。

品質とコストに関する課題 

 このトレーサビリティについての側面は消費者に対する安心にはつながるが、これはコストという形で転嫁される。同時に、単一農家からの購入の場合は季節ごと、バッチごと、毎年の品質が度々異なり、消費者が直接珈琲を淹れる場合は難易度が高くなる。
 ドリップコーヒーに関しては、比較的安定した豆の弾き具合が実現できるが、エスプレッソ(特にシングルオリジン)等粒度が細かいドリンクに対しては、いじめに近い。
 これは消費者目線で言うとサステナとは言い難くなる。

さて、皆さんの考えるコーヒーのサステナビリティとはなんでしょうか。
捉え方・解釈や優先度によって、あなたのサステナビリティの観点は変わってくるはずです。

ではまた次回!

Mark


この記事が参加している募集

私のコーヒー時間

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?