辛いことが続くと自己憐憫に陥りやすくなる。ずっと前に蹴りを付けていたはずのことさえ芋づる式に思い出して、沈みに沈むというスパイラルにハマったりする。

私にとって、ここ数年はまさにそんな数年だった。

でも今、自分のことに精一杯で周りが見えていなかったなぁと思う。

実際に、真実を捻じ曲げられた話で言いがかりをつけられること、故意に足を引っ張られること、望んでいないことを強いられ続けること等、どう考えても理不尽なことが複数あった。更にはコロナ渦による影響等が重なり、"ツイていない"時期だった。それは責任転嫁ではなくて、事実、それらがあった。育ちにおいてもそうだった。

自分の努力だけではどうしようもないような理不尽なことが人生の中には存在する。私は全てが自己責任だとは思わない。はっきり言って外的要因に人生はかなり左右されるし、全ての人類は平等ではない。直ぐには変えられない・逃げられない状況って、ある。

けれど、理不尽な経験や思いをしている(いた)のは自分だけでは無い。衣食住さえままならなかったり、大切な人と無理矢理に引き離されたり、望まない戦争の中息を潜めていたりと、人の幸不幸は簡単に比較できなくとも、とんでもない経験をしている人達がこの世界には居る。想像すら出来ないような環境で、誰にも知られない中で心に深い傷を負っている人が沢山沢山居るだろう。人生全体で考えてしまえば、全ての人に必ず何かしら茨の道というものがあるだろう。

そうわかっているつもりでも、自分のことに精一杯で、自分の過去や自分の周りにある問題ばかりを見てしまい、うな垂れていた。

そのような中で今、自分の中にあった痛みや苦しみ、未来にあった不安や恐れ等に光が差していて、それらが完全に無くなったわけではないけれど、大分自由になった心持ちがする。

何故そうなったのかと言えば、最近自分にとってマイナスな影響があると感じるメディアや情報をシャットアウトしたと同時に、いつもよりもずっと意識的に自分の得たいものを選び取っているからというのがある。

クリスチャンなので祈る時間を多く取ったり、夫や猫といつも以上にコミュニケーションを取ったり、映画、本、インターネットも全部、見たいものだけを見る。

その中において一番のハイライトだったのは、身近に居る素敵な20歳ほど歳上の女性のある日のSNS投稿を拝見したこと。

彼女は以前にお話しした祭、過去に家庭で虐待を受けていてご家族とは殆ど連絡を取っていないと仰っていた。けれど最近の投稿で、お母様から送られてきたという写真を「美しい」と、喜んでいらした。

あの時、彼女が家庭の中であまりにも酷く虐げられて育った事、それがどんなに悲しかったのかを胸が張り裂けそうな程聞いた。泣きながら、「反抗などせず親の言うことを聞いていても、いつも殴られていた。」と話していらした。本当にやりたいことをし始められたのも、実家を出た後からであるとも。私の場合受けたのは暴力ではなかったけど、育ちが似ていたのでよく覚えてる。

そんな過去がありながらも、今彼女はご家族と連絡を取り合い、一枚の美しい写真を共有して喜んでいる。という事実がそこにあった。

そのことが、美しくて、強くて、凄みすら感じて、その写真とさり気ない一文が私に衝撃を与えた。曇っていた心を照らし、洗った。

なんかもう書いてて涙出てきちゃう。彼女にとっては何気なく投稿されたポストだったのかもしれないけど、私にとっては彼女の親子関係の修復について「あぁ、本当に良かったですね、、!!」と思うと同時に、それは私自身の背中をも強く押す力となった。

強いられるのではなくて、どう前向きに歩けるのかというような中で本当に前向きに歩いている人を見た時、その光に影響される。

その投稿に至るまでの月日には紆余曲折がもの凄くあったと思う。数年前にああしてボロボロと涙流し話されていたのだから、今だって思い出して悲しく辛くなることもきっとあるのかもしれない。

でも、その投稿は至って前向きだった。それは感情に支配されない、彼女の意志の"選択"なのだろう。

なんて強く美しい人なのだろうと思った。

そして、

「私も前に進まないといけない。」

「グルグルと終わりの無い自己憐憫に支配され立ち止まってる場合じゃない。」

「過去や他人は変えられなくとも、自分自身の心や行動は変えて行ける。」

と心から思ったし、そのためのパワーも与えられたような気がした。

彼女は繊細で優しい方。弱者に共感を持ち手助けされる方。難しい境遇から一般的には遅いスタートであるにも関わらず大好きなことで大きく夢を叶えられた方。酷い嵐が襲ってくる時にも、何十年も積み重ねられた経験や自信からか堂々とされていて動じないし、自分の居場所に立ち続けることをされる方。自分の使命あると思った事に対しては、絶対に周りの目を気にして遠慮したり妥協したりしない、毅然とした姿勢を貫く方。そして家庭をとても大事にされている方。

そういう全てを今までも尊敬して憧れていたけど、心の中に光を携えながら自分の何倍もご経験を積まれた方の凄みをまた見て、ひれ伏した。

私もいつかはこんな人になりたいと思った。

その人の心の中にある光が自然と人の心を照らし背中を押すような、そんな光を持った人。

本当の意味で優しい人は人を愛し赦せる前向きな人で、そういう人は時に語らずしても多くを動かすことがあると思う。