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東京23区で食べておきたいモンゴル料理を知るための10皿

実は、11月に韓国に行ってきました。

その際、ソウル東大門の南側にある中央アジア人街を訪れました。主にウズベク人の店が多いのですが、モンゴル人だけのビルも存在していました。

このツイートの写真2枚目にあるビルの看板を見るとわかるように、10階ほぼすべてがモンゴル関係のお店でぎっしり!その中の2階と3階にレストランがありました。この2階の店で食べたものがこれです。

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これは、羊の肉厚スペアリブが何本も乗っかっている定食。東京では、一品料理ばかりでモンゴル料理の定食というのは、見たことがありませんでした。ケチャップがかかっているお子様ランチのようなご飯の盛方も、見知らぬ食文化との出会いを感じさせてくれました。

そこで、久々に東京でモンゴル料理を食べて研究してみようと思い、都内のモンゴル料理店をググると、モンゴルと内モンゴルを合わせて10軒以上もある。ここ数年、モンゴル料理を食べていなかったので、年を挟んでがっつりとモンゴル料理を食べ続けてみました。その中から10皿をどうぞ!

※今回はお金が結構かかってしまったので、2皿目の途中から有料とさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします!次回は無料に戻します!

①チャンサンマハ(チャンスンマハ)

モンゴル料理の代表的料理と言えば「羊」です!

その中でも、よく聞く料理の名前が「チャンサンマハ」という羊の塩茹でです。これは、都内にあるモンゴル料理をメインに扱う店なら、ほぼどの店でも看板料理として提供している料理です。

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この写真は、赤羽「アルラ(ARAL)」というお店のチャンサンマハ(2000円)です。1人で食べて少し多いかなくらいな量で、この料理だけでもお腹いっぱいになる感じ。ちょうど良い感じでした。下はその店に行った時のツイートです。

この料理のすごいところは、塩だけで調理していながら、美味しく食べられることです。羊って塩だけで充分美味しいものなのだ!と再認識させてくれました。そして、とにかく臭みがまったくない!羊料理の中でも最もシンプルな調理方法だと思うのですが、きっとこれが一番羊を美味しく食べられるからこそ、モンゴルの代表的な料理として君臨しているのでしょう。

ちなみに、ページトップの頭の写真は、このお店で予約を入れれば食べられる羊の頭です。隣の力士さんのテーブルにあったものを撮影させていただきました。写真右下の肉片は、別オーダーのチャンサンマハの肉を一緒の皿に盛り付けたものです。

続いてこちらは、両国「ウランバートル」という店のチャンサンマハ。3人前で3800円でした。こちらも塩味。ウマイ!

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こちらは田端「モンゴル料理IKH」という店のチャンサンマハではなく、それを焼いたものです。「羊の煮込み焼き」4500円。キリル文字で「シャルサンマハ」と書かれていました。焼いたこともあり、より香ばしい味付けです。ちなみにこちらの店のチャンサンマハも、シャルサンマハも塩味のみのタレなしです。それで充分美味い!

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一方、内モンゴル料理になると、このように醤油系のタレがついてきます。新橋「モンゴリアン・チャイニーズBAO」の「羊の塩茹で」2人前。ここは、数品の料理がついてきて最低でも1人3500円のコースのみになります。(昔は単品のみでも注文できた模様)

どのコースでもこの塩茹でがついてきます。かなりトロトロに煮込まれてて、内モンゴルですが塩味もついてて、美味です!

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巣鴨には、日本におけるモンゴル料理の老舗「シリンゴル」があります。ここも内モンゴル料理になります。チャンサンマハ(1500円)は、どの店とも比べられないくらい柔らかく煮込んでありました。

決して、柔らかさ=美味しさでないものの、このトロける肉にやられるお客さんは多いのではないでしょうか。さすが老舗!と思ってしまいました。味付けは塩味が微妙に効いてますが、テーブルに岩塩があるので、それを自分ですりおろして食べられます。醤油系のタレもついてます。

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幡ヶ谷「青空」のチャンサンマハ(950円)は、塩味無し!店によっては、肉自体に塩味がするものとしないものがありました。「モンゴル料理IKH」は、現地の人が多くやってくることもあってか、タレもついてきません。他は、どこもタレがありますが、モンゴルっぽい店ほど塩味がついており、内モンゴル度が高い店だと塩味なしで、タレ必須という印象を受けました。

モンゴル料理の本を読むと本国では、塩だけで味付けするのが普通のようです。タレ(主に醤油系)などは中国の影響が強い内モンゴル風の場合が多く、それが反映されているんだなあと思いました。ちなみにモンゴル料理の本は、こちらを参考にしています。

このチャンサンマハ、食べ続けてわかったのが、どの店で食べても臭みがまったくない!羊は、しっかり塩で煮込めば臭みがなくなるんだと思いました。というのも、同じ店でも「ホルホグ」という石焼で味付けもされている羊などでは、臭みがある店があったのです。

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でも、こちらの歌舞伎町「新オッと屋」のホルホグは、臭みがない上、味もよかったので羊の処理の仕方がうまかったんだと思います。おすすめです!

中国色強めの店だと、チャンサンマハは、メニューにない場合がありますが、代わりに様々なスタイルで茹でたあるいは蒸した羊を提供しています。

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東武練馬「あむ亭」の「モンゴル風旨蒸し」

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高田馬場「馬記 蒙古肉餅」の「ラムのモンゴル風旨蒸し」

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沼袋「味香房」の「モンゴル式ゆでラム肉」

正直、どこも美味しいです。外さない料理と言っていいかと思います。店によっては、羊丸ごと1匹などのサービスや羊の頭の煮込み(ページ頭の写真)など色々あるので、モンゴル料理に行ったら、まずはこの羊の煮込み(あるいは蒸し)料理を食べて欲しいところです。

②ボーズ

こちらもよく知られているモンゴル料理です。中国からモンゴルに輸入されたであろう「包子(パオズ)」がこのようになったと言われています。小籠包のような羊の蒸し餃子ですが、やや大きめのサイズになります。

こちらは、両国「ウランバートル」のボーズ。これは、おもてなし料理の定番で、新年のお祝いなどに出される料理でもあるそうです。最低2個とって食べるのが礼儀だとか。中には、スープが詰まっており、それをこぼさないように食べるので、小籠包やグルジア(ジョージア)のヒンカリを思いだしました。

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こちらは赤羽「アルラ」のボーズ。基本の味付けは、羊と塩で決まってくるんだと思いました。数軒の店で食べたところ、肉の分量や玉ねぎの量などが違ってきます。「アルラ」は、塩味がしっかりつけていましたが「ウランバートル」は羊の味で勝負と言う印象を受けました。このように、都内でボーズの食べ比べするのも面白いと思います。

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こちらは新橋「モンゴリアン・チャイニーズBAO」のボーズ。チャイニーズと入るだけあり、かなり小籠包に近い感じですが味は確か。スープもたっぷりで、皮がすごく薄いのが特徴的でした。

こちらは、ボーズではないのですが、両国「ウランバートル」で食べた同じような餃子の仲間「バンシ」。茹で餃子になります。中身はもちろん羊です。茹でたせいなのか、中身が微妙に違うのか、同じ店で食べたボーズに比べて羊感が弱い気がしました。

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カフェ・バグダッドさんが提案された「世界を知るための10皿」という企画に乗り、様々な国の料理を取り上げていきます。料理を通じて、移民の方々や、聞きなれない国に親しみをもってもらいたいと考えてます。今後はYouTube「世界のエスニックタウン」と連携した企画をアップしていきます。