【詩】『催花雨、青い窓辺』

             

催花雨はまたやって来た
湿り気を帯びた青い窓辺
憂鬱な肉体が沈む浅葱色の水槽
沈む私のしずかな肖像
羽だけは濡らさぬように
羽ばたけなくなるだろうから

謝りたかった
そんな言葉たちが乾いた地面に残されて
浅くなった意識の底では
また夢を反芻するミニシアター
謝ってもきっとまだ足りない

催花雨が去っていった
うるわしの午後
光舞う庭に白色エンゼルの吐息
憂鬱そうな浅葱色の水を孕んだ浴槽さようなら
僕はそこからまたはばたいていく

許しの時はこない
こなくてもいいだろう
窓の向こう 春の薄明がみえた
ミニシアターは本日は定休日
私は凡てを抱えて窓辺から去る

青い窓辺には死臭だけが残る

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