８月16日の今夜は各地で、お盆のあいだ帰っておられたご先祖様の霊をお送りするための行事が行われています。
京都の五山の送り火も、番組が終了してほどなく点火されます。

ともした灯りを川に流すところもあります。流した灯りが川面にキラキラと輝いているような、今夜はまずそんなイメージの音楽を選んでみました。
ショパンの「ノクターン第12番」。甘美なメロディと豊かなハーモニーの揺れ動きがつくり出すバルカローレの音楽に乗せて、お盆のお話をあれこれお聴き頂きます。

さて、カラス瓜の提灯に火を灯して川に流す、こんな場面が出てくるのは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。このお話の中で死者の霊を慰めるかのように登場するドヴォルザークの「新世界交響曲」はとても印象的です。なぜなら、この第２楽章（ラルゴ）は、日本人にはとても懐かしい、特別な感情を呼び起こさせるようなメロディだからです（「遠き山に日は落ちて」）

日本人が100年近く、まるで日本の歌であるかのように歌ってきた「新世界交響曲第２楽章」の安らかなメロディに包まれて、今宵「祈りの夜」、心に小さな火を灯し心穏やかに亡くなった方の霊を送りたいと思います。

🎼 Chopin's Nocturne Op. 37 no. 2 in G major, recorded by Olga Gurevich.
Source Musopen, https://musopen.org/music/download/12225/
🎼 Symphony No.9, Op.95 (Dvořák, Antonín)
Orchestre national de France (orchestra)
Constantin Silvestri (conductor)
Radiodiffusion-télévision française, 1959
Reissue Schattdorf: Gagnaux Collection
Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivs 4.0 - Non-PD US
Recorded March 12, 1959 live in Paris, Théâtre des Champs-Elysées.

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