Another / 十角館の殺人
綾辻行人さんの作品に初めて触れたのは
アニメ、Anotherからだった。
アニメが気になったら原作がどんなものか気になることもあって漫画や小説を買うことは度々あった。
そうして初めて手に取った綾辻行人さんの小説が、Anotherだった。
アニメを見ていたから"死者"(ミステリーでいう犯人)が誰なのかはわかって読んでいたけれど、どんでん返しというか、そういうことだったのか!という衝撃が、映像で見るより何倍にも大きくて、ああ、これは小説ならではだな、と思った。
小説を読んでいる間は、自分の中で人物や背景を勝手に想像して話が進む。
だからこその、膨らんだ想像を裏切るあの瞬間がたまらなく最高だと思えたし、アニメよりも先に原作を読んでいたかったし、悔しいと思った。
以下、Anotherのネタバレになります
"死者"は主人公の叔母であり、副担任である人物だった。
アニメで見ていたら、はっきりとした描写はなかったかもしれないけれど、なんとなく叔母の"玲子さん"と副担任の"三神先生"が同じ人物なのかもしれないと思っていた。最後までわからなくするための工夫がたくさんあった。
かと言って、死者であるということは、様々な伏線はあるものの最後になるまではっきりとは分からなかった。
小説を読んでいるだけだと、主人公がそれぞれの立場の"三神玲子"と接する時に呼称が変わるので、叔母の玲子さんと副担任の三神先生は全くの別人として分けて考えてしまう。
2人が同一人物だったという真相がただただすごいなと思った。
AnotherはエピソードS、2001も全て読んだ。
そして十角館の殺人を先日読み終えた。
"ミステリー、面白い"で調べると必ず出てくる十角館の殺人。
誰が犯人なのか分からないまま話は最後の殺人を終える。
結果として作中では犯人は最後に自殺した人物と思われて完全犯罪を成し得る。
まさか本土と島を行き来してる人物がいて、殺人を遂行しているなんて夢にも思っていなかった。
これも呼称が違ったせいで1人を別人だと思い込んでいたし、そもそも登場人物たち全員を騙しているなんて思っていなかった。
だからこそ映像化するのは難しいのがよく分かる。
huluで3月から始まるみたいだけれど、どんなふうに描かれるのか、想像もつかない。
機会があれば見てみたいなと思う。
全ての真相がわかった上で初めから読み直してみたいと思い、近々2周目に入ろうと思う。
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