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30日間の革命 #革命編 10日目

 坂本と加賀は、クラスメイトである江藤を味方につけるための作戦を考えていた。彼女を味方につけないことには、クラス内でも身動きが取れない。限られた時間の中で、江藤との接近は急務となっていた。

 「そういえば、セトは江藤さんと仲が良かったんじゃない?」

 「うーん。まあ、2年のときにクラスが一緒だったから、よくしゃべってたんだけど、3年になってから少し変わったかもな」

 「そうなの?」

 「やっぱキャプテンになってから少し話しにくくなった感じはあったかな。常にピリピリしてるっていうか、そんな感じがしてたよ」

 加賀はクラスで江藤ともよく話す仲だったが、彼女が女子バレー部のキャプテンになってからその様子は少し変化しているようだった。

 「江藤ちゃんにとっても、やっぱプレッシャーだったんじゃないかな。女バレってやっぱ伝統ある部活だし、キャプテンにはそれなにり重圧もかかってくると思うんだよね」

 実際、女子バレー部のキャプテンにはかなりの重圧がかかっていた。女子バレー部のキャプテンというだけでも、他の女子生徒からは恐れられる存在である。常に誰かに見られる存在であり、少しでも隙を見せれば威厳を失ってしまう。そんな重圧が江藤には常にのしかかっていた。

 「そうなんだ。だからセトと話す機会も少し減ったのかもね」

 「どういうこと?」

 「セトと話すときの江藤さんが、凄いリラックスしてるように見えたんだ。素っていうか、何にも気にしていないような感じ。キャプテンになったから、極力そういう面を見せないようにしていたんだと思うよ。元々はあんなに厳しい性格じゃないんでしょ?」

 「そうだな。確かに部活に関しては真面目で体育会系ではあったんだけど、無邪気っていうかよく笑ってたんだよね。江藤ちゃんとふざけて授業中に怒られることもあったしな。そういえば、そんな感じが減ったような気がするな」

 坂本はその話を聞き、何かを考えているようだった。

 「もしかしたら、それがきっかけになるかもね。江藤さんの本音を引き出すことが出来れば、何か変わるのかもしれない」

 「江藤ちゃんの本音かー。確かに、前の感じの江藤ちゃんだったら、はっちゃけたこと好きな感じだし、上手くいけば協力してくれるかもね」

 「ならセトには大きな仕事ができたわね」

 「俺!? 俺がやるの?」

 「うん。ぜひお願いしたいわ」

 「まじかー。俺最近話してないから、ちょっと気まずいんだよな。それに白の会の件もあって、何か俺のことを敵対してるような感じもあるからちょっと怖いんだよ。小春も一緒に来てくれよ」

 「私も一緒に行ってもいいけど、いきなり二人で行ったら、もろにバレちゃうでしょ。だから、最初はセトにお願いしたいの。きっかけが出来たら私ももちろん行くわよ」

 「うーん。わかったよ。なんとか話すきっかけを作ってみるか」

 加賀は、江藤への接近を試みることにした。

▼30日間の革命 第一部
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