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30日間の革命 #革命編 5日目

 仙波美波は、その容姿から学年のアイドル的な存在として入学時から目立っていた。そんな彼女を射止めるべく、多くの男子生徒が仙波に交際を申し込んだが、その全てを仙波は断っていた。仙波曰く、「私なんかと付き合っても良いことない」というのが断る理由だった。あまりに多くの男子生徒が交際を断られていったため、いつしか仙波に交際を申し込む人はいなくなっていた。彼女は学年のマドンナであり、決して誰とも付き合わない。そんなイメージが男子生徒の間で広まっていた。

 しかし、そんな生徒たちに衝撃のニュースが走る。何と仙波が交際を始めたらしいと。それも相手は新入生の馬場だった。ついに仙波のハートを射止めた男子が現れたと学校内ではかなりの噂になった。そのほとんどは、二人を祝福するものであり、馬場を称えるものだった。しかし、その一方で一部の疑問を残した。仙波と馬場の接点である。

 二人が交際を始めたと噂が広まったのは、五月のゴールデンウイーク明けくらいらだった。つまり、馬場は入学後、約一カ月で仙波と交際を始めたことになる。二人はいつ、どこで接点を持ったのか。馬場が一方的に惚れ込んで交際を申し込んだのか、それともその逆なのか。二人が付き合うまでの期間があまりに短く、そして二人の共通点も少なかったため、一部の学生の間で、その疑問が残っていた。

 そしてそれから数カ月後、馬場は別の女性と交際を始めたとの噂が広まった。女子バレー部キャプテンの江藤である。仙波とは色々あって別れたらしいが、それにしても乗り換えが早い。そして、江藤も学校では名の知れた人物の一人。馬場の一連の行動に疑問を持つ学生も一部いたが、それは手崎とバレー部の事件や、生徒会選挙、白の会などの話題にかき消されていた。そして何よりも、馬場が生徒会長に就任した際、生徒会副会長に仙波が就任したことが学生たちの間では驚きだった。普通、別れた相手とは近くにいたくないはず。それも、すぐ別の女性と交際を始めているとなれば、なおさらだ。しかし仙波は違った。現在も副会長として馬場を支えており、二人の関係は良好に見える。そのため、馬場の行動を責める学生はほとんどいなかった。本人たちが納得しているならと、ほとんどの学生は馬場達のことに口を出すことをやめていた。ただ、加賀はそのことがどうしても引っかかっていた。

 加賀と仙波は一時期噂になったことがある。たまたま二人が帰り道一緒になった時があり、一緒に歩いているとこを目撃されると、その噂はたちまち広がった。両者ともに、学校内では人気者であったため、ビッグカップルの誕生かともてはやされた経験がある。

 その時加賀は、仙波へ謝りに行っていた。

▼30日間の革命 第一部
まだお読みでない方は、ぜひお読みください!

▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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