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30日間の革命 #革命編 3日目

 坂本たちのクラスには女子バレー部キャプテンの江藤もいた。女子バレー部はこの学校の中でもかなりの権力を持っており、その中でもキャプテンに選ばれる人は、かなりの影響力を持つ。女子生徒にとって、女子バレー部キャプテンは恐れる存在であった。そんな江藤であったが、この夏から1年生で生徒会長になった馬場と交際を始めていた。そのため、江藤も白の会や革命には反対の姿勢をとっており、馬場からもクラスで坂本や加賀が変な動きをしていないかを監視する役割を持っていた。

 だからこそ、加賀はこのクラスで革命を起こすきっかけを作ることは困難だと思っていた。少しでも革命の話をすればすぐにでも馬場の耳に入り、生徒会から阻止されてしまう。

 「でもどうやって江藤ちゃんを味方につけるかだよな。噂によると、結構馬場に入れ込んでるらしいじゃん。そんな簡単にはいかなさそうだよ」

 加賀は心配そうに話した。

 「そうね。いきなり彼女に革命の味方についてくれって言っても、上手くいくはずはないわね。だからまだ江藤さんには接近しないわ。まずやるべきことは、この文化祭をいかにしてみんなにやる気を持ってもらうかよ。セトも分かっていると思うけど、そんなにこの文化祭に思い入れのある学生は少ないわ。特に3年生は受験勉強もあって、本気で取り組もうとする人も少ないからね」

 「確かにな。正直俺も去年、全然やる気なかったもん。高校生にもなってさ、クラスで演劇作って発表なんて誰が発案したんだろうな? もうちょっと楽しい要素でもあればなーって思ってたよ」

 毎年、この文化祭を楽しみにしている学生はほとんどいない。

 「まあね。一応優秀賞みたいなものを選んでいるけど、もらったところで特に特別なものはないしね」

 この文化祭では、各クラスで演劇を発表する。それを見た教師たちが一番優秀だと思ったクラスに投票をして、最後に優秀賞を発表するというものだった。しかし、坂本の言う通り、優秀賞をとってもその場で表彰されるだけで、何か特別な盛り上がりもなく毎年終わっている。なので学生たちにとっても、特に大きな目標にはなっていなかった。

 「ならさ、何か俺たちで特別な賞でも作ってさ盛り上げるってのはどうかな? そしたらみんなも少しはやる気出るでしょ」

 加賀は坂本に提案をした。

 「そうね。ただ、もう私たちは生徒会の役員じゃないでしょ。だから、そんな大掛かりな改革は難しいかもね」

 「あーそうだった。俺まだ生徒会副会長のつもりでいたよ。何か盛り上げる方法ないかな?」

 「大きな変化じゃなくて、小さな変化でいいのよ。何か私たちのモチベーションが高まるようなもの。それを考えましょう。あと、あんまり私たちが長く話をしていると、怪しまれるかもしれないから、今日はここまで。各自で考えてきて、明日からまた少しずつ決めていこう」

 そう言うと、坂本は席を立ち教室を出ていった。

 「モチベーションが高まることねぇ。何かいい方法ないかな」

 加賀は教室に残り、何かいい方法がないかを考えた。

▼30日間の革命 第一部
まだお読みでない方は、ぜひお読みください!

▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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