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肥大化する主語

はじめまして

この一文から始めさせていただきます。

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某チェーン店のブチ切れ張り紙が話題になった。

違法無断駐車に対する怒りのようなものであった。あれに関しては100違法駐車側が悪い。それは誰が見ても明らかだろう。だが、あれがあそこまでバズったのはチェーン店側の書き方に原因があったように感じる。これからチェーン店側に対するチクりとした言葉を言うが、あくまで100違法駐車が悪いと思っていることはあらかじめ念を押しておく。

まず、あの貼り紙を張ったのが全国チェーン店のしがない雇われの身のスタッフがやった行為であるということだ。雇われの身だったらなにも抵抗できないのか、そもそもルールを守れないような人間は客ではないから丁寧な言葉を使う必要などない、といった意見も見られる。それでも、町の個人経営店舗と雇われ店舗では振る舞いを変えるべきだろう。

結果的にニュースでも取り上げられるほど拡散しているわけだが、ここまでの影響力を持つことを予想していただろうか。無断駐車が悪いのは分かるが、あれを見て「あの言い方はないと思います」などとクレームをいれられるのが目に見えている。そしてその尻拭いをさせられるのは全く関与していない人であることも。

そして今回のことで一番感じたのは「勝手に主語を大きくするな」ということだ。「どうせこの記事の筆者はグループのファン側だから擁護しているんだろ」というツッコミが飛んできそうだ。その気持ちが完全に0かと聞かれれば嘘になる。しかし、このことはSNSが栄えた現代でいつも感じていることなのだ。

今回の件では「最低のファンが多く」「程度の知れたグループ」などという言葉が見られた。こんなことになったのは、他のライブの時にはここまで酷くなかったのに、という部分があるのだろう。それは完全にファン側の落ち度であり反省すべき点だ。だが、このように大きな主語で一括りにされるとモヤっとするのだ。

世の中には多くのカテゴライズがある。血液型で性格を決めつけ、男だから、女だからなどという。これだから今の若者は、これだから高齢者はという。欧米人だから陽気、日本人だから内気。京都育ちだから陰湿、東京育ちだから高飛車、田舎育ちだから野性的。様々なカテゴライズがあると同時に、それぞれに勝手にイメージが作られる。

それぞれのイメージは声が大きい人、影響力のある人、悪目立ちする人という極々少数によって形成されたものでしかない。大好きな作家 本谷有希子がある番組で「性差ではなく個人差」という発言をした。それは「女性ならでは」といいながら自分の成功を語る女性のVTRを見ての発言だった。その言葉は私の中に残り続けている。

主語を大きくして、勝手にカテゴライズして、勝手にイメージを作るのは非常に簡単な行為だ。その人そのものを見るということは一切しなくて済む。無断駐車によって営業妨害され、怒りの感情のまま書いている時に、良質なファンとルールを守らない害悪なファン(そんなのは最早ファンですらない)を区別する方が難しいだろう。それでも今回の件は主語を勝手に大きくするなと思わずにはいられなかった。

他者を攻撃することが良い悪いはまず置いておくとして、主語の大きさを考えないと本質を見誤る。余計な人まで巻き込み、余計な人まで傷つけられる。正確に見極めることは困難な行為だが、怠らず行っていきたい。そして今回の件で自分の正義を振りかざす正義中毒者が発生しないことを願う。こんな記事を書いている時点で、私も正義中毒者にカテゴライズされているのかもしれないが。

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手の届く範囲にいるあなたが

幸せでいることを願います

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