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なにかに夢中になってるときは大事な何かを忘れてる

上京して社会人になったのが、バブル真っ只中で、見るもの全てが新鮮で、すっかり東京暮らしに没入していました。
正確に言うと、千葉県松戸市に住んでいたのですが、会社が東京都墨田区にあったので、毎日、東京の方を向いて生活していた感じがありました。

秋葉原御茶ノ水新宿青山六本木銀座、あたりに意識が向いていて、休日はよく出かけました。
親からお金を借りて、クルマを買って、夜な夜な湾岸線を飛ばして横浜まで走ったり、休日は足を伸ばして湘南方面に走ったり。

バイクにも乗ってて、信州方面へツーリングしたり、群馬や富士山の林道を走ったり、有明からフェリーに乗って北海道に行ったり。

空前のスキーブームが盛り上がりつつあった頃、職場や寮の仲間がみんなスキーをやっていて、誘われるままに出かけたら面白くなってしまって、スキーに没頭しました。
冬は毎週のようにスキーに出かけて、月曜日は会社でぐったりしているという有様。甲信越方面の主なスキー場はだいたい行きました。

約6年間の東京(千葉)暮らしの中で得たもの

  1. 東京の文化に触れられた

  2. 寮生を中心とした友達とのつながり・語らい

  3. いろんなレジャーを体験した

  4. 出かけた場所の多さ

東京での暮らしに十分満足して、関西に帰ってきたわけですが、後になって思うと、もっとこんなことをしておけば良かった!と思うこともちらほらありました。

見えていなかったもの

  1. ローカル情報

  2. 他人の気持ち

  3. 社会人としての在り方

1. ローカル情報

松戸に住んでいましたが、松戸駅と寮の間の地理的なものしか知らなかったので、それ以外の市内のことは全く知りませんでした。
地元の文化や、人々がどんな生活をしていたかというのは、全く分かりません。寮以外で外食するときも、ファミレスや、チェーン店に行くことが多かったですし。

また、東京の中のことも、華やかで綺麗な部分だけ知っていたようなところがありました。
東京には歴史のあるもの、文化的な遺産、などが豊富にありましたが、それらを訪ねて歩いたこともありません。今、振り返って「それはとても惜しいことをした」という思いがあります。

2. 他人の気持ち

会社の人だけでしたが、友達が多く、人生の中で一番、他人との交流が多かったと思います。
その割に、相手のこととか、あまり考えていなかったなあという気はします。いつも一緒に帰ったりしていた仲の良い同僚にも、会社を辞めるときは何も相談しないでいきなり正式発表になってしまいました。

僕はこの時も、その後の会社でも、辞めるときには、自分のことを考えてくれていた人の気持ちに触れました。残念に思ったり、裏切られたという気持ちになったりしていた人がいたと思います。

もしかしたら自分の思い込みかもしれないけれど、いろんな意味で自分に期待してくれていた人の気持ちは、裏切ったと思っています。
本当に、自分のことしか考えていませんでした。

3. 社会人としての在り方

仕事と、遊びのことしか考えていなかったので、生活を見つめるということがありませんでした。
自分の生活をどうしていくのか、将来、家族を持つのか、親や親戚などと、どう付き合っていくのか、全く見えていませんでした。

大袈裟かもしれないけれど、社会人としてどう生きていくのかという、覚悟のようなものは、何もありませんでした。そのことが、ずっと後々まで自分の人生に虚ろな影を残してしまったなと思います。
良く言えば自由人、悪く言えば無責任。

他者との関係の中に自分があるのだという意識が、ごく最近、分かってきたのが哀しいですね。

夢中になっているときこそ忘れがちなものを意識する

自分は集中力がある反面、なにかに夢中になると、それ以外のことがお留守になると思うので、特に人間関係などでエラーがあると思うのですね。

だから、最近ではあまり夢中にならないようにしているし、なにかに没頭し始めたときに我に返って、周囲のことを考えるという癖を身につけました。

自分と、取り巻く周りの人と、その社会全体を考えながら生活するという意識を持つようになりました。この歳で(笑)
だけど、そういう立ち位置になると、自分だけで生きているわけじゃないと思えるし、逆に自分の生き甲斐は、自分以外のところにあるという感覚が持てるようになりましたね。

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