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紫恋 咲
2024年5月9日 13:20
朝目覚めたが琴音さんは起きてこない、無理に起こすのもどうだろうと考える。今日は学校を休む事にして電話を入れ風邪で熱があると嘘をつく。先生は両親がいない事を知っているので、僕の電話だけでも大丈夫なのだ。お昼になってやっと琴音さんが起きてくる。「おはよう星七、今日学校は?」「今日は風邪気味なので休みました」「そうなの?大丈夫?」「大した事はありません」「もしかして、私のために休
2024年5月8日 22:58
夏休みが終わり僕は少しだけ落ち着く。夏休みに勉強する余裕は一切なかった、その結果テストの成績は落ちてしまう。それを知った琴音さんは僕の家庭教師を週2回やってくれた。教え方は凄く上手で僕は内容をしっかり把握できた。 コンビニの雑誌や週刊誌などでミニスカライダーのミコトさんが掲載されている。ミコトさんの人気は徐々に高まっているようだ。 月に1回か2回は僕も付き人で駆り出される。土日でない場合も
2024年5月7日 15:24
熱い日がジリジリと音を立てて続く、蝉の声が青空に響き渡る、心まで汗ばみそうだと思った。 もうすぐ夏休みがやってくる。休みなのは嬉しいけど、茉白ちゃんと会えないのは少し、いやかなり寂しい。 琴音さんから夏休みの土日は空けておくように命令されている。一体なんだろう?不安がよぎる。夏休みの最初の日曜に朝から僕は叩き起こされ、お大きなリュックを背負わされた。「さあ、行くわよ!」気合いの入った
2024年5月5日 18:10
僕は茉白ちゃんに癒されて、緩んだ笑顔で帰宅した。すでに琴音さんが帰って来ている。今日は遅いはずではなかったのか?一瞬緊張が走る。「おかえり星七、今日も茉白ちゃんとデート?」遠慮のない言葉が僕を攻撃してくる。「いえ、今日は図書館の本の整理が大変だったので………」「そうなんだ、でも茉白ちゃんと一緒にいたんでしょう?」上目遣いだ。「まあ、図書部員ですからね………」「じゃあ、実質デート
2024年5月4日 19:56
放課後になり図書館で作業している。茉白ちゃんも本の整理をしていた。一通り作業を終えた僕はお茶を買ってきて茉白ちゃんへ差し出す。「お疲れ様、これ良かったら」「えっ、いいの?」茉白ちゃんは溢れるような笑顔で見てくる。ああ、この溢れる笑顔を僕の両手で拾い上げたい、癒されるなあ………。やすらぎの時間を楽しんでいると突然後ろから声がする。「ヤホー!」 うっ、この声は………僕はゆっくりと振り
2024年5月3日 20:02
今週は雨の日が多い、もう梅雨に入ったのだろうか?どんよりとした雲を教室から眺める。日常のドタバタを曇り空は和らげてくれるような気がした。少なくともこの空にランデビ琴音は出てこないのだ。 隣の席のそいとげがデザインの基本という本を読んでいる。そいとげが本を読んでる光景は滅多に見ないので少しだけ不思議になった。「珍しいなあ、そいとげが本を読んでるなんて、しかもデザインの本なんて」「ああこ
2024年5月2日 16:10
最近琴音さんは帰りが遅い日が多くなった、アルバイトが忙しいらしい。僕は夕食を作る日が少なくなって少しほっとしている。 今日も駅カフェで茉白ちゃんと話してきた。彼女の両親とも仕事をしていて帰りが遅いらしい。それを良いことに、最近二人で夜になるまで話をしている事もしばしばだ。 琴音さんから遅くなるというメールが届くと僕は図書館で「今日も両親は遅くなるのか………」とため息混じりに漏らす。それ
2024年5月1日 12:17
また淡々と過ぎる日常が戻ってきた。僕は何となく授業を受けて放課後は図書館で過ごす。勿論茉白ちゃんがいると嬉しいのだが。 僕は返却された本をあるべき場所へ戻し、貸し出しカードを確認して整理する。一通り終わったのでパッドを出して読みかけだった小説を読み始めた。「えっ!星七くんそのパッド君の?」 突然声がしたので顔を上げると太田先輩、いや亜斗夢先輩だ。横には真凜先輩もいる。別のところで作業し
2024年4月29日 16:36
図書館でメールを確認する。琴音さんからのメールは『食事はいらない、今夜は遅くなる』そう表示された。「ふ〜ん、そうなんだ」独り言が漏れる。 琴音さんはバイクのクラブに入ったらしい、部活が忙しいんだろうと思った。夕食を作らなくていいので僕はおにぎりとカップ麺で夕食を済ませる。 リビングのソファーに寝そべりパッドでのんびり小説を読んでいると、突然メールが届く。『ヘルプ星七、もうすぐ到着』
2024年4月28日 18:46
日曜日は遅く起きたのですぐにお昼になってしまった。僕は買っておいたフランスパンを焼いてインスタントのポタージュスープを用意する。サラダを作るのは面倒なのでトマトスライスを用意した。パンが焼ける匂いがすると、琴音さんが起きてくる。「おはよう星七ぴょん」 「飛び跳ねませんよ僕は」何となく答えてしまう。 琴音さんは少し笑うと、僕の頭を撫でながら壁の時計を見ている。「いっぱい寝たなあ〜、
2024年4月27日 13:04
食事が終わると琴音さんはお風呂へ向かう。「一緒にはいる?」「そんな訳ないでしょう!」僕は強く拒絶する。 薄笑いを浮かべて僕をもてあそぶのだ。もし「はい、一緒に入りましょう」なんて言ったらどうなるんだろう?ふと考えて身震いした。 お風呂から鼻歌が聞こえる、まったくいい気なもんだ。やがて髪を拭きながら、パンツとブラでリビングへ出てきた。「だから、お風呂場で服を着てからリビングに来
2024年4月26日 13:05
僕はスーパーへ立ち寄り、買い物をしてマンションへ帰ってくる。買い物したレシートを出すとキッチンカウンターの横にある箱へと入れた。箱の中には財布が入っている、中には約10万円程入っていて様々な支払いをこの財布から支払う。そしてレシートや領収書はこの箱に入れることが規則になっている。 僕はこの財布の中から1万円がお小遣いとして支給される。多いような少ないような微妙な金額だ。親なら『何が欲しい』と
2024年4月25日 18:56
それでも日常はダラダラと流れ始めていく。僕のグダグダな高校生活はトボトボと歩き出す。 満開の桜が舞い散る通学路を歩いているのだが、その桜の花びらでさえも雪国の吹雪に感じられた。 今日の放課後は図書部員の委員会があるので校内図書館へとやってくる。すでに上級生は来ていて指定された席へとついた。「ようこそ東栄図書館へ、図書委員長の3年A組雪村奏《ゆきむらかなで》です、これから1年よろしくね
2024年4月24日 14:12
やがて入学式を迎え、僕はついに高校生となった。1年C組が僕のクラスだ。初めて入った教室には朝日が差し込みホコリが少し舞っていてキラキラ光っている。学校独特の匂いがリビングと小悪魔から開放してくれる気がする。楽しいクラスになるといいなあと心から思った。 クラスに知り合いはほとんどいない。しかし一人だけ最も離れたかった友だち、いや友だちなんかじゃ決してないあいつがいる。僕と一緒にみんなからいじら