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思い立ったが転職日和 完結編~ようやく応募へ。下手な鉄砲は打ちまくれ


ようやく、応募について…だが、その前にエージェントと面談した際に受けた転職活動の心得について説明しよう。

転職活動の心得

心得1. 転職は競争ではないと心得よ

先にも触れたが、転職は、

・一人一人にあった転職先を
・それぞれのペースで
・それぞれが納得いく形で

選ぶものだ。
だから、もしあなたの周囲に転職をした、またはしている人がいたとして、その人と自分を比べることはないし、比べてはいけない。

心得2. 己を知れ

これは、身の程を知れ!という意味ではない。自分が持っている特性や弱点をよく理解してこそ自分の価値を効果的にプレゼンできますよ、ということだ。まあ、自分の経験やスキルが条件に満たないのに、超ハイスキルとスーパー学歴を求められるような超ド級の一流企業にいきなり「採用してくれ」と押しかけたところで門前払いを食うにきまっている。個人的には転職がうまくいかない、書類審査を通らないと文句を言っている人の何割かはこういう”過大評価タイプ”だと思っている。
夢は大きく、歩みは謙虚に、なのだ。

心得3. 市場環境を把握せよ:求められるペルソナと世代別間口の広さ

エージェントによると、就職内定率は20代、30代、40代と世代が進むごとにググっと下がるのだとか。40代の転職内定率は10%程度だと言っていた気がする。やはりというか、ですよね…という感じだが、心配するなかれ。これは転職が困難だということではなく、いかに企業とのマッチングが難しいかということの現れだ。企業が求める人材と、あなたが求める転職の条件のマッチングの難易度は、あなたが積んだ経験とスキルの多さに比例すると思う。経験を積んだ分あなたの目も肥えているだろうし、企業に対する要望もシビアになっているはずだからだ。
ここで応募に際し、以下の心構えが必要になってくる。

①求められるペルソナに合致しているか
前述した”誰でも転職できる”は嘘ではない。だが、市場において年代別の転職難易度が異なることもまた事実。世代によって得られるであろう知識やスキルをベースに、応募企業も欲しい人材のペルソナ(人物像)を描いているからだ。書類審査の段階でこのペルソナに合致しなければ不合格、ある程度合致すれば一次審査は合格、二次審査(面接)となる。求められるペルソナは年代や職種によって異なるので、”己を知る”ことはとても大切。

②世代別の間口の広さを理解しよう
もちろん、世代によって募集できる(したいと感じる)案件の件数が大きく変わるし、世代が上がれば上がるほど採用側の期待値も上がり、当然ながら採用条件は厳しくなる。

採用する側の思考:
年齢が上がる⇒スキルを持っている(だろう)⇒ 重要な仕事を任せられる(だろう)⇒ 高い給与を支払う

応募する側の思考と求められること:
良い条件の会社に転職したい(給与が高いなど)⇒ ここで「提示した条件(高い給与・高い役職・重要なポスト、自分が求める環境など)に見合ったスキルや経験がある」ことを示す必要がある。

当たり前だが、買う側(採用側)は良いもの(人材)を安く買い(雇用し)たいし、売る側(応募側)は持っているもの(自分のスキルや経験)をできるだけ高く(良い条件)で売りたいのだ。ここで間違えてはいけないのは、
あなたが売りこむのは”あなた”という物理的な存在ではなく、

あなたが持つ ”実力” と ”可能性” なのだ。

実力とは、現在までの経験や得たスキルから形成され、
可能性は、あなたの実力と性格や人となりから予測できるポテンシャルだ。

これをうまく相手に伝えられた時に、あなたの採用は決まる。

応募から書類審査突破まで

下手な鉄砲は打ちまくれ

というわけで心得を胸に応募スタートである。ここからはアプリやサイトで見つけた気になる案件の応募ボタンを片っ端からポチるだけ。ちょっと迷おう…なんて案件にはお気に入りを付けておく。
ここでのルールはただ一つ。迷ったらとりあえずポチれ。
節操なくていい。一部気に入らない条件でもいい。気になったならとにかくポチポチするのだ。これは採用の間口を広く確保するための重要なアクションなので、遠慮せず、臆せず、プライドも捨ててとにかくポチりまくることをお勧めする。
ポチったら自動で相手先に履歴書、職務経歴書が届く仕組み。自分であらんだ案件、エージェントの紹介案件といくつかの紹介ルートはあるが、異なるのはエージェント紹介案件は一次審査に(やや)通りやすいということのみ。あとはそれほど変わらない。またエージェントの紹介案件は要望にマッチしないこともあるので、自分でマメに募集案件をチェックし、気に入ったものを選び出す作業は必須。

不合格メールなんて怖くない

応募ボタンをポチポチポチと乱打しまくると、当然だがそれなりの数の”不合格通知”が届く。これは主にエージェントからの連絡だが、2次審査お見送り、等の文言で非常に申し訳なさそうなメールが届く。それも大量に。1回で5社分の不採用通知がまとめて送られてくるなんてこともザラ。
ここで”不合格だった”とショックをうけたり、プライドを傷つけられたりする必要はない。あくまで”マッチングしなかっただけ”。1次審査はあくまで書類審査。お互いの条件の擦り合わせのプロセスなので、よっぽど輝かしい経歴を持っている方以外は落ちるのが基本、と思うのが正しい。そもそもこれを”不合格”ととらえるから話がややこしくなるのだ。これは”不合格”ではなく、ご縁がなかっただけ。それだけだ。
ちなみに私は自分が書類審査で見栄えが悪いだろうという自覚があり、また自他共に認める高いコミュニケーション能力から、面接に持ち込めば採用の可能性が爆上がりする自信があった。3か月の転職活動で見境なく40件弱ポチり2次審査まで行ったのは3社。実際あまり興味のない(スキルは合うがやりたくない)案件、明らかに自分のスキルと合わない案件が半数以上含まれていることを考慮すればかなりよいヒット率だと思う。自分がこれ!と思って応募した案件はおそらく10社程度。しかし思わぬところに出会いは転がっているものだ。実際思いもしなかった業界に転職することになったのだ。

ここが正念場、面接審査

面接でしかわからない肌感を大切にしよう

そんなこんなで何とか書類審査を通ったのは3社。3社目で内定を受けたということなのだが、つまりは2社は不採用だったということ。
私はこれをポジティブにとらえている。なぜなら自分自身が「この会社じゃないかも」と思っていたから。これは決して負け惜しみではない(笑)。

不採用①前職と関連のある類似業種の企業

こちらはスキルをベースに選んでいただいたのだと思う。面接も非常に手ごたえがあった。業界の内情も共通認識が出来ていたし、即戦力として貢献できそうな予感があった。しかし、実際の業務について確認したところで違和感を感じた。募集に記載のあった内容から想像していた業務内容と、企業がオファーしていた内容に食い違いがあったのだ。ここでお互いの顔にやや影が差したのを感じた。内容の確認を進めていくうちに、どうやら私が想像していたものは企業が提供してくれるものではなかったよう。この面接の終わりで、明確ではないもののお互い「今回はご縁がなかったかもね」という認識ができた。その後当たり前だが採用見送りの連絡がきたが、私としてはすでに自己完結していたのであらそう、くらいの感覚だった。初の不採用通知に私が平然としているので、エージェントは疑問に思ったようだ。理由を説明し、面接(お見合い)で条件の齟齬があったことは相互で了承済みだと伝えるとなるほど、それでですか、と返事が返ってきた。
エージェントへの企業の返答では私の人柄とスキルに対し、非常に高い評価を頂いたのだそうだ(企業とエージェント間では別途応募者についての面談や打ち合わせが行われているらしい)。しかし不採用とのことで、面接時に何かあったのでは、と心配していたんだそう。事情が分かり、そういうことなら仕方ないね、と次に進んだ。

不採用②前職と似たような勤務形態のベンチャー企業

すぐに次の面接予定が入った。
こちらは著書がバカ売れの方が起業して作った会社のようだった。女性中心の業務内容、職場環境で、応募要項やホームページは夢と希望満ち溢れる内容だった。
この企業は面接が2度あり、一度目は人事担当者と採用された場合に配属される部署のトップとの面談。最終面談は取締役という女性との面談だった。

1次面接は無事終了。合格を頂き最終面接へ。ここで取締役の方と面談をはじめて5分で(この会社には入らないだろう)と確信していた。
特に失礼なやり取りがあったわけでも、大きな失敗をしたわけでもない。ただ、ひしひしと感じる違和感。どうしても”肌に合わない”と感じるのだ。
ベンチャーで小さな組織ながら、スタッフは名だたる有名企業の出身者だらけ。やる気と本気に満ち溢れたバリキャリの集合体のような会社だが、そこはかとなく漂う胡散臭さと不透明感。そこがどうしてもクリアにならず、採用になっても辞退しようと思っていた。
そんな面接だったのでこちらの良いところが出るわけもなく、もちろん結果は不採用。評価は悪くなかったようだが、まあこれはこれで辞退する手間が省けたので良かった。

やっと採用、3社目。

こうして2度練習を重ね、ようやく3社目の面接である。転職期間は3か月弱だが、最初の面接2件は割と早い段階で進んだこと、連休を挟んだことなどから、3社目の面接が決まるまでは3週間ほど間が空いた。
3社目は全くの未経験業種、未経験ながら希望するマーケティングの担当者の募集だ。まだマーケティングの組織すらない会社で、1から立ち上げられる人材を探しているという。私にもってこいの、パーフェクトな案件ではないか!面接はサクサク進み、部長面接を経て社長面接へこぎつけた。ここまではすんなり、好感触で進んだ。これまた肌感だが、この会社はイケるかも、そんな風に感じていた。
社長は外国人のため、面接は日本語と英語。前もって準備したがうまく使わっていなかったようで、社長の反応が鈍い。ああこれは落ちたな、と思い、好感触の反動でややショックを受けていた。
しばらくして連絡がきたが、もう一度最後に面接をしたいという。本来は社長面談で終了だが、今回は追加で海外の本社のマーケティング部隊のトップと面談をしてほしいというのだ。前回手ごたえがなく珍しく意気消沈していた私は、慌てて最終面接に向けて準備を進めた。前回伝えたかった内容を見直し、原稿を作成して練習する作業を2日間で行い、最終面談に臨んだ。

採用:転職して見えてきたもの

結果として、現在その企業で働いている。
管理職ではないが、管理職だった前職より給与が下がることはなかったし、やりたかったキャリアチェンジを果たした。職場環境は良かったり悪かったり、合う人も合わない人もいるが、毎日しあわせだ。
こうして、私の転職は終了した。まあ、おおよそ成功と言ってよいだろう。
自分が満足しているのだから、誰が何と言おうと大成功だ。

成功したと言えるかどうかは自分次第

①必要な情報をひきだす力
転職を成功したと言えるかは、その後の心持ちで大きく変わると思う。
良く”転職してみたが話と違うのですぐやめた”とか”入ってみたら環境が悪かったのでやめた”という話。そんなブラック企業も確かにあるとは思う。
しかし、大半の企業の採用は文字で起こした条件と、面接時の内容のみで決めなければならない。採用前の人物に内情を明かす企業などほぼないと言っていいだろう。そこで必要なのは、読解力と面接での聞き出し力だ。採用前にきちんと自分が知りたい内容を聞き出す必要がある。これができなかったのに話が違うなどと言われては、企業側こそ”聞いてないよ”と言いたくなるだろう。

どんな会社も楽園ではない
入社して”話が違う、環境が悪い”という人に言いたい。悪いところがない会社なんてないよ、と。
転職に失敗したと考える人の中には、必要な努力を怠っている節のある人が一定数いる。どんな会社に入っても”聞いてないよ”な新事実は出てくるだろうし、そもそも面接時にすべてつまびらかに出来るわけないのだ。契約した給与が大幅に削られたとか、約束された業務内容や役職が用意されていなかったなどという大問題が発生しない限り、大体はそんなもんだと思って受け入れるしかない。新社会人のころを思いだしてほしい。見ること聞くことのほとんどがびっくりするような新事実だったではないか。新天地を都にするか流刑地にするかは自分次第。もし流刑地と定めたなら、自分で自分をその刑に処したのだからなおさら文句など言えない。転職を決めたのは自分以外の何者でもないのだから。

私の場合、聞いていなかったいろいろな問題が勃発するたびに、転職で手に入れた自由を思いだすことにしている。新しいキャリア(の種)、豊かな時間、丁寧なくらし、経済的余裕、深刻なストレスを手放し少しのストレスを受け入れて得た平穏。決して前職より大きな会社に入ったわけでも、職場環境が格段に向上したわけでもない。得たものと同時に失ったものも当然あるが、失ったものを数えても意味はない。手放すと自分で決めたその日からあなたの新章はすでに始まっているのだから。

転職活動を始める、始めた皆さんが納得のいく新生活を送れますように。











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