岩佐 文夫

フリーランス/編集者。ダイヤモンド社にてビジネス書編集者、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集長などを歴任し2017年に独立。2018年3月からハノイに3か月在住し、6月よりラオスのビエンチャンに3か月滞在。現在は東京。

「レンタルなんもしない人」さんの存在が、悩ましい問いを突きつける

きっかけはテレビだった。ニュース番組かワイドショーの一コマで、この本の著者「レンタルなんもしない人」に密着したコーナーを放送していた。「何もしない人」というレンタル業を始めたこの人、風貌や雰囲気がそれっぽい。どんな人がどんなレンタルの仕方をするのか?俄然、興味が湧いてネットで調べて著書があることを知りすぐに購入した。
『<レンタルなんもしない人>といいうサービスをはじめます。』という本である。

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iPhoneの開発秘話を通し、デジタル機器に覆われた世界の「いま」を描いた書

何気なく読み始めたら、寝る間を惜しむほど引き込まれ一気に読んだ。
本書『ザ・ワン・デバイス』は、もはや説明不要あのiPhoneの開発秘話である。

それだけだと、単なるヒット商品を生み出した企業のサクセスストーリーに過ぎないが、本書の面白さは、今や人類の必需品になったiPhoneがどこから生まれ、何でどう作られているかを世界中を駆け回り調べていく構成だ。いわば、開発秘話を縦糸とし、iPhoneを生

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日本人は料理に手間をかけ過ぎ?−―書評『食事作りに手間暇をかけないドイツ人、手料理神話にこだわり続ける日本人』

異文化に触れると、それまで考えもしなかった自国の常識を自問することがある。
本書『食事作りに手間暇をかけないドイツ人、手料理神話にこだわる日本人』(書名が長いw)は、まさにそんな著者の体験から生まれた本である。

ドイツ文学者の著者が初めてドイツを訪れたのは学生時代。語学研修と一般家庭でのホームステイを体験する、という1週間のプログラムに参加したのだ。迎えてくれるホストファミリーの家はインテリア雑

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【レポート】クリエイティブ・クッキングバトルに参加した!

競うのは料理力なのか、創造性なのか?

先日、クリエイティブ・クッキングバトル(CCB)というイベントに参加してきた。
これは料理コンテストの一種だが普通とは違うルールがある。食材は主催者が余り物の食材を用意してきて当日披露される。参加はチーム(3人から4人)単位で、それらの食材を使い、決められた時間で料理をするのだが、採点は、おいしさ、見た目、創意工夫、そして出した生ゴミの「少なさ」である。つま

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上手な素人とプロとの決定的な違い

先日ボランティアで、ある映画のロケに同行し運転手の役割を担った。動機は、映画のテーマに共感し、映画作りの現場に興味があったからだ。

初めて体験するロケ現場は想像以上に興味深かった。それは緻密な作業の連続である。移動するクルマを撮影するシーンでも、撮影場所をいくつも変えるのはもちろんのこと、前後の車の行き来、さらには太陽が雲に隠れていないかなど、実にチャック項目が多い。スタジオでの撮影ではないので

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「失うものがない」から強くなれるわけではない

「失うものがない」という言葉を聞くと清々しい。
これまで築いてきたものが大きい場合、一度の失敗でそれが失われると思われると、萎縮しがちになる。これまでの業績だけでなく、失いたくないものには、自分なりの自信もある。自分が信じていた自分の可能性や自信を失ってしまうのは怖いものだ。無謀な挑戦でそれが揺らいでしまうようなら、その挑戦に及び腰になる。

一般的に、年齢を重ねることで失いたくないものは増えてく

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