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□「はさみますね」



私はいま、頸部の疣贅の治療中である。
なんか、気づくと出来ていたんである。

ゆうぜい。
ひらたく言うとつまり、いぼですね。

でもさ、「いぼ」ってことば、
なんかめっちゃ恥ずかしくないですか。
ひとから「これはいぼですね」とか指摘を受けるの、めっちゃ恥ずかしくないですか。
淫靡で恥辱で赤面する。私だけなのか。

先日その疣贅をいよいよ皮膚科で治療することに。
何故というに、からだを洗う拍子にうっかり指をひっかけてがり取りそうになり、流血沙汰となったため。
ちなみにがり取るなどと言う言葉は存在しない。

皮膚科の外来に行くと物静かな男性の医師が、
「さわってもいいですか」
などとのたまい、かのできものに指をそっとのばす。
優しく触れられ、小さくはずむできもの。

「いぼですね」

・・・・・・恥辱!!!

さて、皮膚科ではこれを冷凍凝固という方法で治療する。
液体窒素で火傷みたいな状態にしてぽろりをねらう。
米粒ほどの大きさのある疣贅だが、
茎を有し、そこが細くなっているので、
同部を重点的に攻めることとなった。

ピンセットを持つ男性医師。

「はい、じゃあ いぼをはさみますね」

・・いぼをはさむ!

いぼを、はさむ!

恥辱!!!

恥辱だし、
しずかにはさまれている困り顔のいぼの姿を想像すると、なんかじわじわと愛らしい。

されるがままのいぼ。

金属の先にはさまれるいぼ。

チリチリしてるいぼ。

困り顔の、いぼ。

あーーー・・

・・ほんとどうでもいいよね。
なんか書いておきたくなった。

忘れていいです。


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