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八百万の神ってのはこういう事か。

ちょっと変な奴にあこがれた時期ってありませんか?
俗にいう”中二病”というやつです。


「自分は何者なのか」という問い

まさに永遠のテーマですよね。人間の。
落ちこぼれの在野の学者(風)としては、見逃せないテーマでもあります。
だけど、まさに”中二病的な問い”ですよねぇ。

妻ともこんな話をするのです。
「人は一人では行けてはいけない。誰かと支え合い、関係しあい、社会を形成し、円熟していく生物」と彼女が言うので、
私は「私が感じる”世界”は、”私が認識している世界”であって、他人からすれば存在すら怪しいもの。可能性の話。他人なんてものは妄想かもしれないよね」と言い返す。
続けて私は「故に」と続けて「人は個人の想像しうる限りなんにでもなれるし、どうとでもなるんだと思う」

元も子もない話だけれど、自分が今、ここにいるどうやって証明するのだろうか。手っ取り早い話、それは誰かに認めてもらう事だろうと思う。
では、人に認めてもらうとはどういう事なのか。と禅問答よろしく繰り返し問いて行けば、きっと悟りくらい開いちゃうのでしょう。

フレームに納まる居心地の良さ

そこでmbtiや血液型の話になるわけですよ。
人は、何かを理解する、解釈するうえで「枠組み」に当てはめてしまう。
例えば、心霊現象や都市伝説、神話…この「枠組み」に当てはまらないものを畏怖し、忌諱する。わからない事は不安で怖い事なんですよ。
だから、性格診断だったり、血液型占いの診断結果=枠組みに自分がはめ込まれる事に安心感を覚えてしまう。
こういった類のフレームに納まりたくない衝動が強い人もいるかとは思いますが、そう目くじら立てなくとも各々わかってますよ。同じカテゴリーでも個人として微細な、しかしながら大きな違いがある事も科学的な根拠が別段ないことだってもうわかっているはずです。
ただ、安心したいんですよ。ガチっと型にはまる事の安心感はみなさんもあるでしょ?状況が状況ならば、性別が一緒とか出身地が一緒ってだけでなんだかほっとしてしまう。それが人間なんですよ。

自分好みのフレームを得る為には…。

しかしながら、誰かに用意されたフレームには、先ほどもいったように「そうじゃねぇ。俺はその枠にはおさまらねぇ」という輩も同数程度いるでしょう。なのでちょっと古い知識を引っ張り出してみました。

私のカビが生えてしまった古い知識の中で、フーコーの理論に「一望監視システム」というものがある。
これは中世?いやいや近世?いわゆる監獄の監視システムの事です。
ドーナツ状の監獄に囚人が入り、円の中心には看守がいる棟が立っている。
看守からは囚人が見渡せるが、囚人側からは見られているのかいないのかが判然としない。簡単に言うとこんな感じのシステムだ。

パノプティコンの中にいる囚人のように、いるのかいないのかわからない看守に対して気を払い、生活を続けている。看守不在でも悪さができない監視方法がこれであり、この”いるのかいないのかわからないから悪さをできない”という視線を「神の眼」というのですな。
これを私が自己流に曲解的意訳をすれば一人でいても、例えば我に返るとか、賢者タイムなんて言葉もありますが、要は誰しも「客観的に自分を見ている瞬間」があって、この「客観的に自分を見ているのは誰?」というお話なんです。

これがもし神様ならば、神の為に働きなさい。
これがもし上司ならば、仕事に邁進しなさい。
これがもし恋人ならば、恋人の為に尽くしなさい。
これがもし親ならば、親の為に奉公しなさい。
これがもし子供ならば、子供の為に誇れることをしなさい。

まぁ、パノプティコンの場合は囚人と看守でしたけどね。
人は自分の中に”神の眼”を知らぬ間に作ってしまうのですよ。
そしてそのどっかの神の眼に認められる事で、初めて人間は自分で作ったフレームに組み入れる事ができて”達成感”を得るわけです。

”神の眼”の創造者は、何者なのか

結局のところ、どう考えても生育環境における体験が”神の眼”を作り出しているといって過言ではないでしょう。それは親と言われれば親、教師と言われれば教師、友人と言われれば…etc それは無限にあり得る全ての出来事や繋がりから形作られている。
ともなれば、最初のテーマに戻って妻の言う通り「誰かと支え合い、つながりを広め、”神の眼”を形成し、己を律し、自分を認め、成長していく」という結論が導かれるわけだけれど。

それではまるで、オリジナルとなる”個”がないような気もする。
死屍累々と連なる人類の歴史、生き物の歴史の上で、今の自分が形作られて、一人として同じものはないが、一人として違わない何かを形成している。それが、地域や年代、性別、環境で適応していく。
オリジナルで合って、オリジナルではない。

今日の結論

俺様は神であり!神様はお前らである!

以上っ!




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