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大晦日にの夜に何を食して年を越す?

 2023年も終わりを迎える。年越しと言えば蕎麦である。いまだにこの習慣が不思議でならない。なぜ蕎麦なのか?

 日本人が年越しそばを食べるようになったのは、江戸中期で、江戸で始まったとされる。その後、大阪にも定着するようになる。

 蕎麦が長いということで、何かと「末永く」というような「ながい」に引っかけた願掛けとともに食されるようになった。

 しかし、何故うどんではダメなのか?香川県では年越しうどんというものを食すと聞いたが、香川の人かれ話を伺ったことがないので本当かはわからない。

 しかし、四国では縄文時代から蕎麦が食されていた形跡があり、高知県の遺跡で発見されている。「蕎麦」という時には「麦」の字が使われているが、蕎麦の実の形が角ばっていて、物の角が尖ったことを「稜(そば)」と言ったことから「そばむぎ」というようになり、「稜麦」から「蕎麦」という字に転じた。

 つまり、粉状にして食するものは「麦」として総称していたのだろう。しかし、麦の栽培は米の栽培が難しい寒い地方で行われるもので、中国においても、北側の寒い地方では麦が栽培され、麺類が発展し、南側では米が栽培された。

 日本に稲作が九州から入ってきて、東北まで伝わるまでに随分と時間がかかっているのは、そのためである。小麦は、古代エジプトでは、すでに食されており、遺跡からパンを作る窯と窯に残ったパンらしきものも発見されている。

 それよりも後に、シルクロードを渡って麺も伝えられる。中国を経由して日本に入ったものが、うどんである。中国から北にイタリアに伝わったものがパスタと言われている。

 元はどうやら同じらしい。そう言えば、アラビアで発明されたウードという弦楽器は、シルクロードを渡って中国を経由して琵琶という楽器として日本に伝わる。一方、シルクロードを経て北のヨーロッパに伝わったものか、リュートとなり、ギターになる。

 元が同じでも、全く別のところに伝われば、こうも違うものになるものかと思わされる。それもまた歴史の面白さである。

 話がえらく脱線してしまった。さて、年越しそばと年越しうどん、どちらを食そうか。この際、年越しパスタもありである。

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