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流産-252gの小さな我が子-

待望の待望の。待ちに待った第一子の我が子は、252gの小さな小さな男の子でした。

胎内で亡くなった後、陣痛促進剤を使い、周りの妊婦さんと同じように陣痛に耐えて出産した我が子。

エコーで心拍が弱っていく過程を確認しながらも22週前の胎児は、法律上、促進剤を使えないと説明を受け…ただ我が子が亡くなるのを待つしかない数日はまさに地獄でした。

今も尚、心拍が弱くなっていく我が子…子宮口に挟まりながらもゆっくりとした心拍を動かすことを止めない我が子の姿が脳裏から離れず…思い出す度に胸が締め付けられる日々を送っています。

私にとって陣痛の痛みは、償いでした。
苦しみながら亡くなった我が子…真っ暗な世界で少しずつ弱っていった我が子…その想いを想像するだけで耐え難く、私にとって陣痛は、我が子を守れなかった母としての償いであり、罰だと感じました。

息子の方が苦しかった。これは綺麗ごとでも何でもなく、紛れもない事実。
私は「痛い」と、決して口に出さないことを自分に誓い、自分に課し、未来なき命なき陣痛に耐えました。

生まれてきた我が子。容姿を見たらビックリすると構えていましたが…どんな姿でも受け入れると自分に言い聞かせていましたが…

想像以上に可愛くて、愛おしい。たまらないくらい可愛い可愛い、パパ似の赤ちゃんでした。分娩台の上で、人目を気にせず声を出して涙したあの瞬間。育てたかった…育ててあげられなかった…その気持ちだけでした。

旦那がどうしても…と足型を記念にとってくれた1円玉ほどの小さな足型。だけど、しっかりと胎内で育ってきてくれた糸。歩んできてくれた命を証明してくれるような立派な足型が今日も私達夫婦を励ましてくれています。

命は奇跡です。
日本では、50人に1人が死産を経験していると言われています。今日もきっとどこかで同じような経験をしている人がいるのかもしれません…
「命は奇跡」
これを知っているだけで。
見える景色は変わってくるはずです。

今日を生きていることに感謝。
目の前の命に感謝。

「みなさん、生きていてくれてありがとう。」

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