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『ここは未来のアーティストが眠る部屋となりえてきたか?国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ』  国立西洋美術館

国立西洋美術館で初めて現代美術を展示する話題の展覧会『ここは未来のアーティストが眠る部屋となりえてきたか?国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ』に行って参りました。
タイトルが長い…

こちらの展覧会のリリースが出た瞬間「新藤さんの企画かな?」と思っていたら、その通りで国立西洋美術館 主任研究員・新藤淳氏が担当学芸員でした。

愛聴しているポッドキャスト『アートテラー・とに〜のそろそろ美術の話を』で最も好きなエピソードが新藤さんゲスト会なのですが、そちらで国立西洋美術館の事だけでなく、御本人の生い立ちを赤裸々に語られています。

こちらのエピソードを聴いてから本展覧会に行かれると違った楽しみ方ができると思います。

「美術っていう言い方自体やめたほうがいい」などと発言されていて、美術館の人なのに凄いこと言うなー、と感じたのを思い出します。

更に新藤さんのお父さんが教員をしながら現代アーティストとして活動していた事も語られており、小さい頃から広島現代美術館に通っていたと。そんな父に反発しながらも、気づくと現代美術に魅かれていった事も語られています。

国立西洋美術館で現代美術の企画を実現化するまでに、様々な困難もあった筈で、話せるタイミングになったら是非「そろそろ美術の話しを」で振り返り話しを聴いてみたいです。

で、展覧会の内容ですが濃度が凄いです…。

正直、内藤礼と長島有里枝しか知りませんでしたが、これだけ多様な作家を一挙に、しかも西洋美術館の所蔵品とコラボさせながら企画していくの並大抵の事ではなかったろうなと。
ほぼ全て本展覧会用にオーダーされたものばかりなのですから。

ロダンの考える人が赤いベッドに横たわっていたり

体型にフィットした真っ赤なソファーにゴロンしてます

クラーナハのユディトが普通の部屋に飾られていたり

IKEA家具風の部屋に。ハマってました

作家に企画提案する新藤氏がいたり

新藤淳氏の肖像

そして、本企画に最も相応しいと思ったのが、こちらの竹村京(けい)の作品《修復されたC.M.の1916年の睡蓮》。
破損状態のモネの《睡蓮》に対して、破損部分の箇所を透き通った布に刺繍を施し、その布を絵と重ねる事で修復してみせてます。

かなり写真はずれちゃってますが、リアルで見るとバッチリ重なってます

他にも西洋美術館所蔵の作品を使って良くOKがでたなのコラボ企画や、18禁になってもおかしくない作品もあり、まーとんでもく攻めてました。

まもなく桜満開の上野公園。
本展覧会を見終わった後に夜桜見ながらビールを飲んだら気分上々になれるかも?しれません。



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