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テーブルに戻ると高梨さんがスマホを触っていた。私が戻ってきたことに気づいたら、なんだか楽…
高梨さんはとてもよく話す人だった。 学生時代には私にも仲の良い男友達が何人かいたけど就職…
連載小説『中山さん』についてのお話です。 『中山さん』シリーズは約3年前のnoteデビュー当…
「結城さん、いつもこのくらいの時間にお帰りですか?」 会社の帰りの電車で偶然同じ車両に乗…
奥さんの入院で中山さんが会社を休み、中山さんに会えない昨日は不安でしかたなかったけど、欠…
中山さんが欠勤した昨日の朝は、慌ててオフィスに飛び込んだ。少しでも早く中山さんの状況を知…
ずっと誰にも言えずに一人で抱えていた。奥さんのいる人を好きになってしまってお付き合いをしているなんて誰かに言えるはずがない。きっと軽蔑される。そう思っていたけど友達の春菜には勘づかれて尋ねられて、とうとう泣きながら打ち明けた。 既婚者との恋なんて「やめた方がいい」って言われるかと思っていたけど、そんなことはなくて、春菜は私のこの恋を否定せずにいてくれた。泣き止むまでそばにいてくれて、一緒に夕食を食べてデザートにはプリンを食べて、なんでもない雑談もしながら笑い合った。帰りには
「・・・好きな人がいるの」 涙と一緒にその言葉がこぼれた。でもそれを言うだけで精一杯で続…
「さやか、ごめんね、突然来ちゃって」 春菜がコンビニの袋を手で持ち上げながら笑った。春菜…
月曜日の今日はオフィスに飛び込むように出社して、帰りは逃げ出すように退社した。つらくて今…
終業時間が過ぎてすぐに私が取った電話は、中山さんの奥さんからだった。 戸惑いが伝わってく…
中山さんは静かにそっと私を抱きしめてくれ、しばらくの間、髪を、頰を優しく撫でてくれた。そ…
中山さんがホテルの部屋のライトを少し暗くしてくれた。 やわらかな明かりが私たちを包む。 …
信号が青に変わった。 中山さんはアクセルを踏んで、少し先にある路肩の停留所まで車を走らせて停めた。もう一度私を優しく抱きしめてくれたあとに、スマホを持って車を降りた。きっと奥さんに電話をかけるんだろう。 中山さんと今日は夜もずっと一緒に過ごせる。2年もの間、奥さんのいる中山さんに苦しいほどの片思いを続けて、やっと中山さんが私の気持ちを受け止めてくれたけど自分が愛されている自信なんて今もまだない。 だからどうしても私は中山さんの愛が見たかった。 「今日は帰れない」と奥さ