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【書評】つらいときは、寄り道をしてみる|最後はなぜかうまくいくイタリア人

最後はうまくいくイタリア人 著者:宮嶋勲
イタリアと日本で「ワインと食」について執筆するジャーナリスト。
35年以上、イタリアとかかわってきた経験から、日本とイタリアの仕事観や人生観、恋愛、食事などの違いを教えてくれる。

本の目次
1,仕事─ルーズなのになぜか結果は出る秘密
2,人生─好きなことだけ楽しみ、嫌いなことは先延ばす
3,家族と恋愛─対人関係を支配する義理・絆・コネ
4,食事─食卓でのふるまいは、商談以上に難しい
5,独断と偏見で考えるイタリア

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お気に入りの本屋で見かけたあるポスター。

アポの時間は努力目標。嫌なことは後回しでよい。一度にふたつのことはしない。

日本では考えられない”緩さ”を主張する売り文句と、「最後はなぜかうまくいくイタリア人」というタイトルを見て……。

「緩いのにうまくいく、、、そんなことあるわけがない!」

と思い、いつのまにか手に取ってしまいました。

最後まで読み終えた感想としては、単純に日本とは正反対の文化を知れて面白かったというのがひとつ。

もうひとつは、「計画をたててゴールまで最短で進む」という、日本に蔓延る効率重視の成功。
実はそれ以外にも、成功の形はあるんだなという感想です。

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「人生は寄り道の連続が面白い」

現代の日本では、とにかく効率が求められる世の中になりました。1週間、1月先まで計画を立てて、ゴールまでを最短で進むその方法は確かに合理的です。

しかし、その方法では計画以上の結果が生まれることはありませんし、少しでも計画からずれるとバタバタしてしまいます。

また何よりも、計画を守るだけでは楽しさを感じることは難しいです。

それに対してイタリアでは、「今を100%に生きる」という価値観が浸透しています。

今を生き、直感的に行動し、好きにこだわる。

そんな行き当たりばったりの生き方からは、「自由奔放」「時間にルーズ」といったイタリア人の国民性がうかがい知れます。

本書の中で、この直感的な行動が、ただの移動時間を楽しく有意義なものにしたエピソードがありました。

ただ、ミラノからトスカーナに移動するだけ。
普通なら3時間20分くらいで移動完了です。

それなのに、このエピソードでは9時間近くの長旅になりました。単純に6時間近くを寄り道に使っていると思うと、私なんかは目的を見失っているのではと思ってしまいます。

しかしイタリア人にとっては、寄り道こそが人生を豊かにしており、楽しさがない「効率」などに意味はないと考えているのかもしれません。

※それにこのエピソードでは、寄り道をしないとできなかった、思いもよらない有意義な経験をたくさんしていました。

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日本は昔から勤勉で礼儀正しい国民性と言われています。そんな気質からか、効率化された組織による圧倒的な品質を強みとしてきました。(トヨタとか、シャープとか、いわゆるメイドインジャパン)

逆にイタリアは、楽しさや自由を重視する国民性から、品質はそこそこでも他にはない唯一のブランド力を強みとしてきました。(フェラーリとか、グッチとかのハイブランド)

日本では好まれない「ルーズな価値観」からも、世界で戦う企業が存在すると思うと、無理にひとつの考え方にとらわれる必要はないのかもしれません。

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つらいときは、寄り道をしてみる。

私の場合は仕事帰りにコーヒーを飲んで、キャンドルたいて、本を読むのがそれかもしれません。

音と香りで日常から離れ、だれかの物語に想いを馳せるのはこころの重りが軽くなる気がします。

真逆の考え方を、著者の実体験から感じれるのは本当に面白かった。

1,仕事─ルーズなのになぜか結果は出る秘密
2,人生─好きなことだけ楽しみ、嫌いなことは先延ばす

特にここから編の章からは、イタリア人らしい「ルーズな考え方」を学ぶことができるので、興味のある人はぜひ一読する価値があると思います。

私たちが持っている日本人らしさに、少しのイタリア人らしさを加えると、こころが軽くなるきっかけになるかもしれないですし。

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