中嶋洋二郎

介護食らしくない介護食レシピを掲載するサイトをやっています。実際の介護経験があるプロの…

中嶋洋二郎

介護食らしくない介護食レシピを掲載するサイトをやっています。実際の介護経験があるプロの調理師であり介護食士です。介護職員初任者研修終了しています。近隣のカルチャーセンターなどで介護食(ユニバーサルレシピ)を教える講座を開いています。 https://tabegoro.club

マガジン

  • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.2

    公開後、ある程度時間が経過した介護食レシピを公開が古いものから順番に10本ずつ集めてマガジンとして順次制作、販売致します。特典として各レシピの最後にそのままプリント出来るレシピブックもつけました。すべて「噛みやすく飲み込み安い」事を考えたユニバーサルレシピになります。トロミ調整剤を使わずに家族と同じ料理を食べてもらえる様に工夫したレシピを集めています。在宅介護のお役に立つことを願って作りました。

  • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.1

    公開後、ある程度時間が経過した介護食レシピを公開が古いものから順番に10本ずつ集めてマガジンとして順次制作、販売致します。各レシピの最後にそのままプリント出来るレシピブックもつけました。すべて「噛みやすく飲み込み安い」事を考えたユニバーサルレシピになります。トロミ調整剤を使わずに家族と同じ料理を食べてもらえる様に工夫したレシピを集めています。在宅介護のお役に立つことを願って作りました。

記事一覧

固定された記事

特別ではない介護食

介護施設で調理師として仕事をしていますと、本当に様々なタイプのオーダーが入ります。基本的には「刻み食」「ミキサー食」「普通食」の三種類なのですが、刻み食の中にも…

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介護食レシピ「鶏ミンチとサヤインゲンのミルク煮」

付け合わせなどの脇役が多いサヤインゲンですが、立派な緑黄色野菜でβ-カロテンを多く含みます。しっかり加熱すると柔らかくなり甘味も増しますので今回は鶏ミンチのミー…

中嶋洋二郎
20時間前
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閑話休題「中年と老人の境目」

私は若い頃から、人間という物は年相応に老けていくのが最も良い歳の取り方だと思っていて、それは今でも変わりありません。 特に見た目に関して老化に抗う事で、何とも形…

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介護食レシピ「貝割れとサラダ豆のアボカド和え」

生の貝割れと市販のサラダ用の蒸し豆を、潰したアボカドで和えた料理です。サラダ用の蒸し豆は封を切ったらそのまま使えますので火を使わずに出来ますし、潰したアボカドが…

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もっちりを食べやすく

お年寄りに限らずですが、お餅や芋類などは皆が大好きな食べ物です。 ただ、こうしたもっちりとした食べ物は塊で喉を通過しがちな為、運が悪いと喉に詰めてしまいますので…

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介護食レシピ「豆腐と豚バラ肉のサッと煮」

歯の悪いお年寄りは肉類を敬遠しがちになりますが、脂身が多めの薄切り肉をサッと加熱したものは比較的食べやすいと思います。今回は薄切りの豚バラ肉を豆腐と一緒にサッと…

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閑話休題「ご先祖様と墓じまい」

私の育った地域はたいそうな田舎でしたので、次男坊や三男坊の多くは高校を卒業したくらいのタイミングで実家を離れ、そのまま都会で家族を持つのが普通でした。 実家は概…

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介護食レシピ「豆腐と卵の中華風丼」

豆腐を鶏がらスープで煮て最後に溶き卵を入れて中華風の丼にします。味つけは醤油と砂糖ですので、鶏がらスープを和風の鰹風味の出汁に変えれば和風にもなります。手早く出…

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閑話休題「バブル世代とZ世代」

最近、20代から30代前半くらいの若い人と話していて驚くのは、彼らは景気が良い世の中というものを全く知らずに大人になっているので、お金や暮らしに関する価値観が私の様…

中嶋洋二郎
10日前
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和食と詫び寂び

少し前に和食は引き算の料理と言われる話しを書きましたが、今回はそれに関連して日本独特の美意識である「詫び寂び(わびさび)」について少しだけ。 実は私がこの「詫び…

中嶋洋二郎
12日前
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介護食レシピ「納豆シラス入り卵焼き」

納豆と柔らかいシラスの卵焼きです。今回ははんぺんを生地に入れて厚焼き卵風にしてみました。はんぺんを入れると生地がふんわり膨らみますのでボリュームアップします。は…

中嶋洋二郎
13日前
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閑話休題「くれない族のジレンマ」

私はもう離婚して数年が経ちますが、独り暮らしをする様になってから日常生活でのストレスが本当にほぼ無くなりました。 理由は何をするにしても全て自分がしなければいけ…

中嶋洋二郎
2週間前
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「祖母と柏餅と柏の葉」

私の祖母は明治の生まれでしたが、このあたりの時代に生まれ育った人は食べる物は何でも自前で作る事が出来ました。 味噌なんかは勿論手作りしてましたし、近頃はやりの甘…

中嶋洋二郎
2週間前
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介護食レシピ「和風トロミ焼きうどん」

歯の悪いお年寄りにも食べやすい平天(さつま揚げ)を使った和風の焼きうどんをご紹介します。味つけは2倍濃縮のめんつゆだけ。とても簡単ですから時間のない時にパパッと…

中嶋洋二郎
2週間前
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再びトロミ調整剤の話し

施設でも自宅でも、最近は介護する中でトロミ調整剤は当たり前の様に使われています。 しかも大量に。 私の義父が要介護になった時も、パーキンソン症候群という病気のせ…

中嶋洋二郎
3週間前
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介護食レシピ「韓国風煮魚」

コチュジャンとニンニクを効かせた韓国風の煮魚をご紹介します。粉唐辛子は入れずに作りますので、味も見た目も本場のものに比べてマイルですが、コチュジャンの辛味が食欲…

中嶋洋二郎
3週間前
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固定された記事

特別ではない介護食

介護施設で調理師として仕事をしていますと、本当に様々なタイプのオーダーが入ります。基本的には「刻み食」「ミキサー食」「普通食」の三種類なのですが、刻み食の中にも「粗刻み」や「極刻み」など色々ありますし、刻んだうえでトロミを付ける「刻みトロミ食」なんかもあります。これはその施設によって色々に設定されていて、一律に決まっているわけではありません。私の経験したちょっと変わったオーダーは、主食のご飯は「おもゆ」の指定なのにおかずは全部普通食というのもありました。 施設の場合はこんな

介護食レシピ「鶏ミンチとサヤインゲンのミルク煮」

付け合わせなどの脇役が多いサヤインゲンですが、立派な緑黄色野菜でβ-カロテンを多く含みます。しっかり加熱すると柔らかくなり甘味も増しますので今回は鶏ミンチのミートボールと一緒にミルク煮にしてみました。お年寄りに不足しがちなタンパク質とカルシウムも一緒に摂れますし、ミルク煮にする事で子供も大好きなユニバーサルレシピになります。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:25分 材料:2〜3人前 サヤインゲン…120g 鶏モモミンチ

閑話休題「中年と老人の境目」

私は若い頃から、人間という物は年相応に老けていくのが最も良い歳の取り方だと思っていて、それは今でも変わりありません。 特に見た目に関して老化に抗う事で、何とも形容しがたい妖怪の様な風貌に変化していく芸能人などを見るに付け、やはり年相応が美しいと思ってしまいます。 ただ、これが外見だけを何とかしようとするのでなく、精神的な部分や健康面でのアンチエイジングでしたら、大いにやって良いのではとも思っています。 私の知り合いに70代前半の女性が何人かいるのですが、このあたりの年頃

介護食レシピ「貝割れとサラダ豆のアボカド和え」

生の貝割れと市販のサラダ用の蒸し豆を、潰したアボカドで和えた料理です。サラダ用の蒸し豆は封を切ったらそのまま使えますので火を使わずに出来ますし、潰したアボカドが全体をまとめてくれますので、嚥下の悪いお年寄りにも食べやすいサラダです。 栄養価の面でも、加熱しないのでアボカドと貝割れに含まれる豊富なビタミン類が効率良く摂取出来ますし、豆類とアボカドには食物繊維も豊富です。子供の苦手な貝割れの辛味もアボカドで和えれば気になりません。子供からお年寄りまで楽しめるユニバーサルレシピで

もっちりを食べやすく

お年寄りに限らずですが、お餅や芋類などは皆が大好きな食べ物です。 ただ、こうしたもっちりとした食べ物は塊で喉を通過しがちな為、運が悪いと喉に詰めてしまいますので、嚥下機能の衰えたお年寄りには危ない食べ物に分類されてしまいます。 特にお餅は実際に喉に詰めて亡くなるかたも多いので、老人向けの介護施設などでは出してはいけない食材となっています。 お正月のお雑煮にしても、粘りの無い介護食用のお餅を使うか、お餅の入らない汁物を「雑煮」として出すかのどちらかになります。 介護施設

介護食レシピ「豆腐と豚バラ肉のサッと煮」

歯の悪いお年寄りは肉類を敬遠しがちになりますが、脂身が多めの薄切り肉をサッと加熱したものは比較的食べやすいと思います。今回は薄切りの豚バラ肉を豆腐と一緒にサッと煮て、煮汁に軽くトロミ付けをしたレシピをご紹介します。子供からお年寄りまで一緒に食べられるユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:10分 材料:1〜2人前 豆腐…150g(半丁) 豚バラ肉薄切り…80g 貝割れ…適量 煮汁 水…200cc

閑話休題「ご先祖様と墓じまい」

私の育った地域はたいそうな田舎でしたので、次男坊や三男坊の多くは高校を卒業したくらいのタイミングで実家を離れ、そのまま都会で家族を持つのが普通でした。 実家は概ね長男が引き継ぐ事が多いのは日本全国どこの田舎でも同じです。 私も次男でしたので、高校卒業と同時に大阪に出まして、そのまま大阪で結婚し家族を持ちました。 ところが私の場合、長男である兄も実家を離れてしまったのは良いのですが、この兄が早死にしてしまい、あっけにとられていたらそのわずか数年後に姉も早死にしてしまうとい

介護食レシピ「豆腐と卵の中華風丼」

豆腐を鶏がらスープで煮て最後に溶き卵を入れて中華風の丼にします。味つけは醤油と砂糖ですので、鶏がらスープを和風の鰹風味の出汁に変えれば和風にもなります。手早く出来て財布にも優しいユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:10分 材料:1人前 豆腐…150g(半丁) 卵…1個 刻みネギ…適量 煮汁 水…120cc 鶏ガラスープの素…小さじ1 醤油…大さじ」1 酒…大さじ1 砂糖…小さじ1

閑話休題「バブル世代とZ世代」

最近、20代から30代前半くらいの若い人と話していて驚くのは、彼らは景気が良い世の中というものを全く知らずに大人になっているので、お金や暮らしに関する価値観が私の様な高度経済成長期に育ちバブル時代も経験した世代とは全くかみ合いません。 特に給料に関して、何年務めても上がらないのが当たり前で、収入を上げたかったら有望な資格を取るなりその業界で実績を積み上げてヘッドハントされるなりしないと上がらない仕組みが出来上がっています。 こんな世の中では将来に希望が持てないのは当たり前

和食と詫び寂び

少し前に和食は引き算の料理と言われる話しを書きましたが、今回はそれに関連して日本独特の美意識である「詫び寂び(わびさび)」について少しだけ。 実は私がこの「詫び寂び」という言葉のちゃんとした意味を知ったのはほんの数年前でして、それまでは「わびさび」で一つの単語だと思っていましたし意味合いもはっきりとは知りませんでした。 例えば枯山水の庭園などを思い浮かべて、それが「詫び寂び」なのだろうと感じる程度の知識しかありませんでした。 それがYouTubeの動画で「詫び寂び」につ

介護食レシピ「納豆シラス入り卵焼き」

納豆と柔らかいシラスの卵焼きです。今回ははんぺんを生地に入れて厚焼き卵風にしてみました。はんぺんを入れると生地がふんわり膨らみますのでボリュームアップします。はんぺんを入れずにそのまま普通の卵焼きでも勿論かまいません。 味つけの調味料はシラスとはんぺんの塩味がありますので、控えめを意識して下さい。今回は2倍濃縮のめんつゆのみ使いました。子供からお年寄りまで食べられるユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:

閑話休題「くれない族のジレンマ」

私はもう離婚して数年が経ちますが、独り暮らしをする様になってから日常生活でのストレスが本当にほぼ無くなりました。 理由は何をするにしても全て自分がしなければいけないので、最初から他人を頼る気持ちがないからです。 掃除ひとつするにしても、以前なら昼寝をしている妻を横目に見ながら何で俺がやらなければいけないのかと不満に思いながらしていた事が、今では最初から自分しかやる人がいないのでノーストレスです。 これは元妻の方も同じだったと思います。 元妻はほとんど料理をしない人でし

「祖母と柏餅と柏の葉」

私の祖母は明治の生まれでしたが、このあたりの時代に生まれ育った人は食べる物は何でも自前で作る事が出来ました。 味噌なんかは勿論手作りしてましたし、近頃はやりの甘酒なども私が子供の頃はかなり頻繁に作ってくれました。 甘酒を飲むときは必ずスプーンも一緒に持ってきてくれて、底に沈んだ麹をすくって食べながら飲むのが決まりでした。 甘酒の甘さは砂糖の甘さではなく、もっと地味な甘さなので子供の舌にはそんなに美味しくは感じませんでしたが、それでも嫌いではなかったのでいつも出された分は

介護食レシピ「和風トロミ焼きうどん」

歯の悪いお年寄りにも食べやすい平天(さつま揚げ)を使った和風の焼きうどんをご紹介します。味つけは2倍濃縮のめんつゆだけ。とても簡単ですから時間のない時にパパッと作るのに便利です。めんつゆで味つけした出汁を加えて炒めると、平天が水分を吸って柔らかく食べやすくなりますし、最後に片栗粉でトロミもつければ嚥下の悪い方でも安心です。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:15分 材料:1人前 うどん…1玉 キャベツ…150g もやし

再びトロミ調整剤の話し

施設でも自宅でも、最近は介護する中でトロミ調整剤は当たり前の様に使われています。 しかも大量に。 私の義父が要介護になった時も、パーキンソン症候群という病気のせいで嚥下に問題があったので、義母がそれこそ口に入る物全てにトロミ調整剤を振りかけて食べさせていたのを覚えています。 後に自分が介護施設の厨房で仕事をするようになっても、しばらくは何の疑問も抱かずにドカドカと毎日大量のトロミ調整剤を料理に使っていました。 しかし今では、少なくとも家庭ではトロミ調整剤は極力使うべき

介護食レシピ「韓国風煮魚」

コチュジャンとニンニクを効かせた韓国風の煮魚をご紹介します。粉唐辛子は入れずに作りますので、味も見た目も本場のものに比べてマイルですが、コチュジャンの辛味が食欲を刺激しますのでご飯やビールがすすむおかずになります。使う魚は今回ご紹介するタラの他に、アジやサバなどの青背の魚でも美味しく出来ます。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:15分 材料:2人前 タラ切り身…2切れ 木綿豆腐…150g(半丁) 玉葱…1/2個(約10