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何も作りたくない時は

私も経験ありますが、仕事しながら介護もしていると食事の準備が心理的にも肉体的にも大きな負担になります。買い物に出かけるのさえ面倒な事もありますし、何とか買い物を済ませて家に戻ってみたらあれやこれやと予想外の仕事を作ってくれていたりもします。

そこで一気に料理する気力が萎えてしまって何もする気にならない等は介護生活ではよくある話しです。

そこで料理人の立場からそんな時の為に、普段から用意しておけば助かるものをいくつかあげてみます。

まずは何と言っても缶詰類です。味付きのサバ缶やイワシの缶詰やツナ缶は必須ですし、意外と重宝する缶詰が貝柱の水煮缶です。

それぞれ使い方を説明します。

私のレシピでもご紹介していますが、味付きのサバ缶やイワシの缶詰は汁ごと小さめの鍋かフライパンにあけてしっかり温めて卵でとじればそのままご飯にかけて丼に出来ます。味つけの必要はありません。お粥でしたら別皿でおかずに出来ます。

貝柱の缶詰は汁ごと鍋にあけ、水を足したらそのまま沸かして塩か醤油を追加すれば美味しいお吸い物になります。出汁をとる必要はありません。

次に重宝するのは、葉物野菜や大根おろしと長芋トロロの冷凍です。時間のある時に沢山作って小分けにしたら冷凍しておきましょう。それも面倒ならスーパーの冷凍食品売り場で探してきてストックしておきます。

介護食を意識した献立を考える時に、大根おろしは和え衣として重宝しますし、長芋のトロロは味噌汁や吸い物にそのまま投入すればトロミ調整剤の代わりになります。トロミ調整剤は料理の食感を損ないますが、トロロなど自然の物は嫌な感じに食感を変えませんし料理を不味くすることはありません。

例えば、トロロ昆布と長芋のトロロをお椀に入れ、そこにお湯を注いで最後に少し醤油をたらすだけで吸い物になります。昆布から出汁が出ますし、長芋のトロロが適度にお湯の温度を下げてくれ、しかもトロミも付きますのでお年寄りでも飲みやすい吸い物になります。

それからレンジで温めるタイプのパックご飯も必ずストックしておきましょう。

サバ缶をメインディッシュにトロロ昆布を使った即席のお吸い物、それからパックのご飯で一食済ませてもバチは当たりません。

栄養のバランスも一回一回の食事で考えると大変ですから数日のスパンで考えて、今日は野菜が少なかったから明日は野菜多めで行こうとか、昨日はタンパク質主体の献立だったから今日は炭水化物主体で許して貰おうとかすれば問題ありません。

介護生活で一番大事なことは、心に余裕を持って向き合うという事に尽きます。

それは介護する方に特に重要になってきます。

どうか上手に手抜きをしながら、自分を許しながら介護生活を送って頂ければと思います。

(元記事は食べごろclub

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