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焼きしめしっかり、香ばしく肉厚な「木宮商店」の車麩で、福井の郷土料理「麸の辛子和え」をつくる

4月下旬、新潟へ行った帰りに長岡に寄った。長岡で買いたいものがあったから。
長岡にはお気に入りがいくつかある。そのひとつが駅前にある「木宮商店」さんの車麩。これがないと非常に困る。私にとって必需品なのだ。ストックが切れそうになると「長岡行こうかな」と思う、それくらい大事。

ちょっと古い画像(2017年)ですが、この大きな車麩ディスプレイが目印です

車麩は実家でもよく食べたが、特別好きという訳でもなかった。それが特別になったのは、もう二十年以上前、夫の親友の長岡のご実家で、お母様の手料理をご馳走になったことがきっかけ。
この時の車麩煮がまあ美味しくて美味しくて、夫と山盛りいただいてしまった。遠方から来た私たちのために立派なお刺身や美味しいから揚げもたくさんご用意されていたが、最も印象に残ったのは車麩。概念が全く違っていた。

車麩はそれまで煮物や味噌汁の具のひとつと思っていたが、長岡では違った。大ぶりで立派な車麩が、それだけで煮られて一品料理として大皿で出てくるのだ。それがものすごく美味しい。車麩ってこんなに美味しいものだったの?と驚き、驚きつつも箸を止められなくなった。たっぷりと煮汁を含んでジューシーで、それでいて全く煮崩れていない。とろけるような柔らかさと肉厚ならではのしこしこした食感が同居。こんなお麩は初めて食べた。

もちろんお料理上手なお母様の味付けや煮方のおかげもあるのだが、「そんなに気に入ってくれたのなら」と、帰りにこの切らないままの大きな車麩をまるごと三本も持たせてくださった、それが「木宮商店」さんの車麩。

ここの麸を知ってしまうと、もう他では満足できない。噛み締めた時の香ばしさや食感が、なんだか物足りなく感じてしまう。
その後、長岡に寄れる用ができると必ず店舗へ足を向ける。駅ビル等でも主力の商品は買えるが、やはり店舗はサイズや厚さ、量等品揃えがたいへん豊富。今回は小型の焼麸と切れ端の袋を購入。切れ端は戻し時間も短く済むし、砕けた端がとろんと煮えて美味しい。

肉厚なのでこれだけで鞄ずっしり

会計の際「良かったらこれも。厚いのでお時間がある時にね」とおかみさんが両端の大きな切れ端をおまけにつけてくださった。うれしい!
実は、店舗ではいつも買った商品と異なる種類のおまけをつけてくださる。おかげで様々なタイプの麸を試せてますますファンになる。今回買った小型や薄い切れ端も、元々はおまけでいただき気に入ったもの。
また、店舗では美味しい車麩の戻し方やレシピのリーフレットもくださる。その通りにやってみると、自己流とまるで違ってほんとうに美味しく仕上がるのだ。

そんなお気に入りの木宮の車麩で、ぜひ作ってみたいものがあった。
今年初めに行った福井の「お幸ざい(郷土料理)」のひとつ、麸の辛子和え。

こうしたシンプルなお惣菜は、材料や調味料の質、調理ひとつひとつの工程が美味しさにそのまま直結する。
ホテルの朝食で食べてもっとたっぷり食べたかったな…と思ったのと、長岡の車麩でつくれば絶対美味しい!とひそかに機会を狙っていた。

左上の青い小鉢です。この量だといろいろ試せてうれしい

きゅうりを使った和え物が美味しくなるのは春以降。最近気温がぐんと上がり、きゅうりも安くなって来たのでようやく試せた。

我が家では2人でこれくらいたっぷり食べます

この時はたまたま美味しいヤマサちくわもあったので一緒に入れた。
参考レシピはいつも郷土料理をつくる際にだいたい見る、農水省のこちら。

さすがに10人分は多すぎるので以下の分量で。

《福井のお幸ざい「麩の辛子和え」》レシピ:たっぷり2人分
<材料>

・きゅうり:大1本
・車麩:小型3枚(記載通りに戻す。木宮商店さんの場合は、鍋に車麩を入れてたっぷり水をはり、沸騰直前まで加熱して火を止め、15分ほど放置して完全に戻した後、再度火をつけて中火で20分ほど下茹で)
・(なくても良いです)ちくわ:1本(小口切り)
<調味料>
・味噌:大さじ1
・酢:大さじ1
・砂糖:大さじ2/3
・和からし(チューブの練りがらし使用):小さじ1強
・きゅうりの塩もみ用の塩:適量
・(上のレシピにはないですが、すりごまも使いました)

1)きゅうりは薄切りにして塩もみし、しっかり水気を絞っておく。戻した麩も水気をしっかり絞り、食べやすくちぎる。

2)ボウルに調味料類を入れて混ぜ合わせ、1)のきゅうりと麩を加えてよく混ぜる(ちくわを入れる場合は一緒に)。

3)水気の出る材料が多かったため、水分を吸う材料をと思い、すりごまを大さじ1程度加えた。味をまろやかにする意味でも入れてよかったかも。

美味しい!かなり好みの味にできた。
やはりしっかりして味の良い木宮の麩を使うと素晴らしく美味しくできる。我が家ではサラダ感覚でたっぷり食べたいので薄味につくるが、小鉢の一品として出す場合はややはっきりした味につくると良いと思う。

うん、これは良いですね。
水煮した麸を和え物に使うのは良いなと思った。これからの季節は和え物が美味しいので、梅やオクラ、ゴーヤ等ととり合わせても美味しそう。

ともかくやっぱり木宮の車麩は美味しいし、福井の郷土料理も美味しい。
長岡の車麩、おすすめです!


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