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富山湾「氷見とろ生いわし」その3~憧れの「卯の花寿司」を紅生姜、炒りごま入りで

抜群の鮮度とたっぷりの脂乗り、「氷見とろ生いわし」の3記事め。
いわしが届く前から「これは絶対作ろう!」と思っていた生おからを使ったきずしについてです。

いわしが届く前に読み込んでいた最近の愛読書、「郷土料理とおいしい旅10 新潟・富山・石川・福井」の富山県ページに「いわしの卯の花ずし」が紹介されていた。

古い本ですが、コンパクトでよくまとまっていて便利な一冊。このシリーズを少しずつ買い集めています

いくつかのいわし料理が紹介されているが、中でもこれに興味を持ち、作り方を調べていると全国各地で似たような「卯の花寿司」または「卯の花漬け」が見つかった。
共通しているのは、酢締めにしたいわしに炒って味付けしたおからを棒寿司または握りずしの要領で合わせ、味が馴染んでから食べるというもの。おからは具入りも具なしもあり、味付けも煮含めるものからいわしを漬けた酢で味付けするものまで様々だった。

とはいえ今回届くのは氷見のいわし。基本的にはこちらの作り方を参考にさせていただき、手持ちの材料や分量都合でアレンジすることに。

《氷見とろ生いわしの卯の花寿司》作り方:大3尾分
◆材料
・いわし:大3尾分(頭と内臓を除いて開き、骨を切り取った状態。皮も引ければ引いておく。市販の刺身用の身を買ってきてもOK)
・いわしの下処理用の塩:適量
・いわしの酢締め用の材料:酢1/2カップ(100cc)+砂糖大さじ1弱
・生おから:200g
・おからの味付け用:だし汁、酢、砂糖、塩各適量
・具材として紅生姜、炒りごま、赤唐辛子:各少々

◆作り方
1)いわしの準備。
いわしは塩をして冷蔵庫に1~2時間おき、出てきた水気をふき取ってからタッパー等に移し、酢締めの材料の分量の酢と砂糖を混ぜて注ぎ入れ、蓋をして冷蔵庫でひと晩おく。

2)おからの準備。
生おからはフライパンで水気が飛ぶまでから炒りし、やや冷めてからだし汁1/2カップ、酢30㏄、砂糖大さじ半分、塩ひとつまみを加えて適度なしっとり感(酢飯としてまとまりやすい固さ)になるまで炒り煮する。

3)棒寿司状にする。
いわしに対しておからの量が多めだったので、にぎり寿司やいわしの身で挟む形ではなく棒寿司状にすることに。
2)のおからを3等分し、①炒りごまを混ぜ、いわしを漬け込んだ酢を混ぜたもの、②紅生姜を多めに混ぜたもの、③ごまと紅生姜の両方を混ぜたものの3種類にし、それぞれ酢締めいわし一尾分と合わせる。

①の炒りごま・いわし酢入り。これぐらいのしっとり加減です(わかります??)

数日間保存させたかったので、腐敗防止と風味付けに赤唐辛子も挟み込むことにした。

ひと晩酢締めにしても明らかにわかる厚い身とふくよかな脂

おからはしっとりしていた方が美味しいと記事で見たので、気持ち柔らかめ。広げたラップに手でなまこ状にまとめられる程度。
その上にいわしの身をのせ、いわしに合わせて形を整えてラップで全体を包み、崩れないようタッパーに入れる。

形を整えたところ。いわしの身とおからが食べたい割合になるようにまとめてください

先にいわしをラップに置き、その上におからを置いてまとめてもOK。

紅生姜は梅酢に漬けた自家製なので塩気は薄め。たくさん入れても大丈夫

3尾まとめ終わった状態。崩れないようタッパーに入れ、冷蔵庫で味がなじむのを待つ。半日~3日めぐらいが食べ頃。食べる際は好みの厚さに切って(崩れやすいのでそっと)、ガリやわさびを添えてどうぞ。

朝に仕込んだものを夕食に食べてみた。

う~ん美味しい!
あらかじめ酢締めにしたいわしの身も、しっとりと美味しいだしの味を含んだおからも両方美味しく、それらが程よく融合。まだ半日ちょっとなので、もう少しなじませると更に美味しくなりそう。
食べてみた感じでは、紅生姜多めが食感も相まって最も美味しく感じた。この日黒ごまが家になく白ごまを使ったが、黒ごまの方がいわしには合うかも。銚子あたりにありますよね、黒ごまいわし。
なお、いわしを漬けた酢を加えたものは、酢を加えた後少しだけ炒って水分を飛ばしたのが失敗で、酢の味があまりわからなかった。
その点からも、おからに加える甘酢は気持ち多め(強め)が美味しく感じると思う。紅生姜もあった方が私は好き。ガリでもよいと思うのでお好みで。

翌日、2日後と食べてみたところ、翌日ぐらいが最も酢やいわしの風味とおからの馴染みがよく美味しかった。想像していた以上に美味しく、また簡単だったので、酢締めにして美味しい他の魚、例えば秋刀魚やきびなごなんかでもつくってみたいと思った。

今回何よりよかったのは「卯の花寿司」って美味しいな、と実感できたこと。甘酢の味を含んだおからは想像よりもずっと美味しい。今回は数日もたせるつもりで酢をやや多めにし、具は入れずにつくったが、当日~翌日中に食べ切るならごぼうやにんじん、菜の花等を入れてもきっと美味しいはず。また新鮮ないわしが手に入ったら別バージョンも是非つくりたい。次からは気軽につくれそう。

そんな訳で、いわしの箱が届いてから2週間近くほぼ毎日~1日おきに何らかのいわし料理を食べているが一向に飽きない。毎回「ああ美味しいなあ」と思いながら食べている。
いわしは普段から食べる機会の多い身近な魚。でも立派ないわしってこんなに美味しいんですね…と認識を新たにした。
ふるさと納税は普段なかなか買えない希少な食材を入手・知ることができる利点も大きい。引き続き積極的に活用していきたい。

そしてまた、機会をつくってそう遠くないうちに富山や氷見を訪れたいと思っている。

昨年6月に氷見へ行った際。何度行ってもうれしくなってつい撮っちゃう

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