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農福連携って何?

農福連携(のうふくれんけい)とは、農業(農)と福祉(福)の分野を連携させる取り組みを指す言葉です。農業は食料の生産や農村地域の振興に関わる重要な産業であり、一方で福祉は高齢者や障害者、子どもなどの生活支援や社会的な包摂を目指す分野です。

農福連携は、この農業と福祉の双方を結びつけ、相互に利益をもたらす連携関係を築くことを目指します。
具体的な取り組みとしては、以下のようなものがあります。

農産物の活用
農産物を利用した食事サービスや農産物の販売を通じて、地域の福祉施設や高齢者の生活支援に貢献する取り組みです。

地域交流
農村地域の農家や農業体験施設を利用して、子どもや高齢者などが農業に触れる機会を提供し、地域づくりや農業体験の場を提供することで、福祉の向上を図ります。

就労支援
障害者や就労困難者を対象に、農業に関連する作業や施設を活用した就労支援を行う取り組みです。農作業を通じて自己肯定感や自己実現の機会を提供し、社会参加を促進します。

地域資源の活用
地域の農産物や農村風景を活かした地域おこしや観光振興を通じて、農業と福祉の連携を図ります。地域の魅力を発信することで、地域経済の振興や雇用創出にも寄与します。

農福連携は、農業と福祉の両分野の連携を通じて、地域の持続可能な発展や豊かな生活環境の実現を目指す取り組みです。地域の資源やニーズに応じた具体的な連携モデルが模索されています。

Farm Agricolaの農福連携

Farm Agricolaでは「平飼い養鶏×就労支援」という形で農福連携に取り組んでいます。
就労継続支援事業所として、平飼い養鶏事業を運営し、多様なニーズのある方々を雇用しています。

鶏を育てて卵を生産し、商品としてパックに詰めて販売する。
その一連の工程をここで働く方々が担うことで事業が成り立っています。

鶏に与える自家配合飼料を製造するのも、卵を採卵するのも、洗卵してパックに詰めるのも、お客様ごとに商品を詰め合わせるのも、配達に行くのも…

全て利用者の方の仕事として組み込んでいます。

自分達の手で愛情込めて育てた鶏たちが産んでくれた卵を、全国のお客様にお届けする。
ここに私たちの仕事の価値や意義、喜びを見出しています。

お客様からいただく「美味しい」「うちのお店で使いたい」といったお声を糧にして、自分の仕事に誇りを持ってもらう、就労支援としてより充実した時間と場所と経験を提供していきたいと考えています。

農が生み出す相互作用

就労継続支援事業所を利用する方々は、個々のニーズに合わせた支援を受けながら働き続ける訓練や練習を積み重ねていくことになります。

事業所を利用する目的や目標もそれぞれ異なります。
個々の得意不得意を見ればもちろんデコボコです。

デコボコはあって当たり前。
ただし、チームとして一つの事業に取り組んでいくにあたって、どれだけそのデコボコを埋め合わせながら、エラーを極力減らして支えあっていけるかが重要です。

私たちは「農的な仕事」が生み出す相互作用に期待しています。
太陽の下で共に汗を流し、苦労や喜び、達成感を共に味わう、その小さな瞬間の積み重ねが、互いを理解し、支え合う土台を築いていくと信じています。

最後に

今、全国で「農福連携」はいろんな形で実践されています。
これが正解!というものはなくて、その地域で抱える課題に即した実態の中でより良い形を目指していくことが求められています。

私たちもより良い形や取り組みを続けていけるように励んでいくと同時に、農福連携の魅力や実績などを発信していきたいと思います。

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