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春の花日和

よくここまで、
生きてこられたものだ。

いろいろなものを捨ててきた。
大切なものや人を、
惜しげもなく捨て去り、
置いてきた。

かわいそうだと思って、
部屋に置いてきたサボテン。

怒りにまかせて、
むしりやぶった、
文庫本のページ。

この人生の中で、
親友と呼べる人間は、
たった3人だ、
という言葉を鵜呑みにし、
バサバサと切り捨ててきた、
鬱陶しい人間関係。

やはり友達は、
100人いた方がいいのかも、
そういう気持ちにさせる、
まどさんの歌。

捨てきれないものは何か、
手元に残り続ける、
この人生において、
欠かすことのできない何か。

はてさて、
めぐりゆくものと知りながら、
捨て去ったものや人が、
今更ながら恋しくなる、
春の花日和よ。

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