2017.9.18記
病気の原因９割はコレといわれる活性酸素、酸素と一体何が違うのでしょうか。タッチの主題歌でも、呼吸を止めるのはわずか１秒。酸素は正に命綱。数分の酸欠で脳の重大な障害につながります。

◆酸化が活性酸素になるまで
呼吸で取り入れた酸素は肺循環で細胞に配達してされ、ミトコンドリア内の細胞呼吸でエネルギーを産出します。この過程で、2パーセントは活性酸素ができちゃうのです。活性酸素はもともと酸素。アナキンスカイウォーカーがダースベイダーに闇落ちしたように、何かトラウマがあったのでしょうか。
活性酸素が促すのが酸化。酸化するとサビて劣化朽ちていきますよね。老化や病気、死に至る現象です。活性酸素は変化の過程で3種類に分類されるのですが、うち2種類は、白血球のマクロファージや好中球のように病原菌を酸化殺菌してくれますから全員が悪者なのではありません。

◆フリーラジカルは不安定
私たちが気をつけるべきはヒドロキシラジカルと呼ばれる活性酸素。ハリウッドスキャンダルの歌詞のアレ、オンナと見ればすぐ誘い出す〜ヤツみたく手当たり次第に細胞を酸化させていくクセものです。この状態を分子で説明すると、分子を構成する電子が何かのはずみで一個足りなくなると非常に不安定になり、周りから電子を奪って安定しようとします。この状態の分子をフリーラジカルといいまして、活性酸素もフリーラジカルの一種となります。

◆不安定だから奪いたい
水の分子式H2Oを例にとります。この状態は非常に安定していますが、放射能を浴びたりして、分子がバラけると・ＯＨとなり、これがフリーラジカルであるヒドロキシラジカルとなってしまいます。そばに細胞膜があれば、リン脂質から電子をもらって安定しようとします。電子を奪われた細胞膜は酸化し、過酸化脂質に変化します。酸化した分子は自身の安定のために隣からどんどん電子を奪うので細胞膜の酸化が進み、膜が崩壊すると細胞質内の核がやられ細胞自身が死滅するわけですね。

◆ブルゾンちえみが売れるわけ
H2OをブルゾンちえみwithBでイメージしてみます。ちえみさんがOで両側にいるコージとダイキがHです。2人の男性に支えらる安心感で女性は力を発揮できると言われていますね。このフォーメーションはとても安定しています。これが、何かの事情で、コージかダイキどちらかいなくなると、とても不安定になります。ドリカムも3人の時が最盛期でした。

◆活性酸素を減らす栄養素
抗酸化食品に含まれる栄養素が、酸化をストップしてくれます。細胞膜の脂質の酸化を食い止めるのは脂溶性ビタミンであるビタミンE。ビタミンEは活性酸素に電子を与えて酸化を食い止めますが、近くにビタミンCがあるとビタミンEに電子を渡すので酸化の連鎖が止まります。ビタミンCは水溶性ビタミンなので、電子が足りなくても誰かから奪うことなく尿といっしょに排泄されていきます。また、プロビタミンであるβカロチンや(ビタミンAに変化します)、ビタミンB群、ミネラルではセレンも非常に抗酸化作用がある栄養素です。

◆ミトコンドリアを活性化
生きている限りどうしても2パーセントの活性酸素は発生するものです。酸素をエネルギーに転換するミトコンドリアを活性化することで、このリスクを最小限にすることが可能です。ランニングは活性酸素が生まれるから無意味という向きもありますが、準備運動なしにいきなり実業団の練習メニューをこなさない限り、一般人にとって適度な有酸素運動はとても効果があります。メリットとデメリットを秤にかけることをトレードオフといいますが、バランスをみながら最適化していくしかありません。また、酸化の反対は還元ですが、深い呼吸と運動と休息、食事の質と回数は血液を還元させます。つまり私たちの在り方が、ミトコンドリアの質を左右するわけです。

◆電子を奪いあわない社会へ
電子がなくなるとフリーラジカルになってしまう。不安定がゆえに、そばの電子を奪ってしまう。アナキンがダースベイダーになるのも致し方なし。このあたりの事情を汲みして、細胞たちが電子を奪いあうことなく生き生き暮らせる社会の実現に勤しむ、私たちの目指したい在り方ではないでしょうか。