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ブラック企業とブラック市町村

ブラック企業、という言葉が知られるようになって久しい。Wikiを引用しようかと思ったら、記述に矛盾とかあるので、引用はやめて、ザクっといえば「低賃金、パワハラ、セクハラ、サービス残業、過剰労働etcで労働者を使いつぶす企業」ということだろうか。
昨今の人手不足を背景に「ブラック企業はつぶれる」流れにあると個人的には考えているのだが、なんせ企業側としては「そうしないとつぶれる」という考えに凝り固まっているらしく(直接そんなに多くのブラック企業を知っているわけではないが、それでも私のいる組織にもそれ的なことを口走る人はいる)まぁ今に歴史がどちらが正しいのか証明するだろう、と思っているところ。

で、である。この一年……うーん、二年くらいだろうか、思うところあって、移住の情報をあちこち(主にネットだけれど)集めていく中で、思ったこと。

ブラック企業があるように、たぶんブラック市町村もある。
消滅都市のランキングはおそらく少なからずの地方在住者、特に公務員や人口問題、過疎問題などに取り組んでいる人に衝撃を与えたのではないかと思うが(「知ってたよ」という人も多いかも知れないが)あぁいうランキングが出る、という時代になったのだなぁというのが私の素直な感想だった。
ほたて御殿の猿払村の話も、いろいろ考えさせられた。私が社会人になったときは「成功事例」としてちらっと聞いたことがあったから。外国人労働者の問題、人口減少の問題、過剰労働、低賃金、いろいろなことがここにはつながっている。

じゃぁ、そういう問題って、ここしばらくで急に出たのか。そうじゃない。フィリピン人花嫁は80年代から90年代の話だ。そう、もう20年も前になる。最近の外国からの労働者はベトナムが多いという。マレーシアやフィリピンの人は英語が話せれば英語圏に行ってしまうから。日本は安全なこと以外魅力のない国になっている(経済的にも貧乏国になりつつあるし、言葉や習慣が閉鎖的なので、英語が使えてお給料の良い西欧諸国などに出稼ぎに出る方が割が良い)という。ひょっとしたら、日本という国がすでにブラック国家なのかも知れない、とすら考えてしまう。

そんな今の日本だけれど、労働人口は減っている。労働人口が減っているというよりは、人口が減っているのだから労働人口だってそりゃ減る。当たり前のことだ。みんな年を取るのだから。そんなことを思いながら、移住の話をあれこれ読んだりすると。
旧態依然としている町と、変わらなきゃ、と思って変わってきた町の差がはっきり出ている。少なくとも「移住」「人口」などのキーワードで「成功事例」「移住者が絶えない」などと称賛される町は、聞いた限りでは「若者」「馬鹿者」「よそ者」の声を聴き、「今までのこの町ではいけない」と果敢にチャレンジしていった町が多いようだ。でも多くの町は「移住促進」「若い世代」「あたらしい町づくり」とかお題目を並べていても結局「できることなら今のままがいい」「今のまま『で』いい」「どうして自分たちがこんな目に」「やるんなら(自分以外の)誰かがやればいい」そんなメンタルが多いような気がする。

「やってますよ」の振りだけがうまくなっている市町村、あなたの住んでいる町は大丈夫だろうか。移住者を「うまく使える労働者」として使いつぶす気満々の町、あなたの周りにないだろうか。
少子高齢化が進んでいく中で、今まで以上に「柔軟に」「謙虚に」なれた町だけが生き残ることができるのではないかと、そんなことを思う。そしてもちろん、企業もね。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。お役に立ちましたら幸いです。 *家飲みを、もっと美味しく簡単に*