見出し画像

青木厚著(2019)『「空腹」こそ最強のクスリ』株式会社アスコム

本当かどうかは未だわからず

以前購入したままになっていた本をやっと読んでみた。
世の中ではYoutuberの芸人が紹介していたようで、そこから販売部数が伸びた本のようである。

わたし自身は肺がんになり抗がん剤の副作用で両足にしびれがあり、あまり歩き回りたくないので、必然的に昼食をとらなくなった。糖尿病予防の朝食は6時半の寝起きのエスプレッソコーヒー、7時に朝食としてトマトジュースと酢納豆、そしてバナナ1本を食べ、分子標的薬(錠剤の抗がん剤のようなもの)を飲み、昼間は基本的にボトルコーヒーやお茶関係を飲むだけ。夜は11時半から夕食兼夜食を食べ、深夜1~2時に寝る生活… つまりその間16時間は確実に毎日食べ物を口にしていない生活が続いているので、必然的にこの本で述べられている内容が実践されている。

既にがん患者であるので、この空腹の時間が、果たして最強のクスリになっているのか、栄養不足を招いているのか、自分では良くわからない。

ただ、そのことにどのような医学的な裏付けがあって、このような本題にある内容の本が出版されているのかという点には興味があって、読み始めて見た。

基本的に多くの人が陥っている中性脂肪や収縮期血圧の値の高さ、これらに加えて糖分が多かったりするのも、1日3食が現代人の食事として多い、つまり栄養過多になっているのではないかとするもので、逆に意識的に空腹の時間を作ることで、身体が欲する機能を利用して脂肪を燃やし、体調や病気、老化を改善する方向に変化させてくれるというものだそうである。この本では、その根拠にしている考え方がオートファジーと呼ばれるもので、身体が古くなったり壊れた細胞内のタンパク質を新しいものに再構築する働きのことをいうらしい。また、それでも空腹を感じたら、ナッツ類は少量食べても平気だそうである。

とは言え、本書を読んでからではなく、既に自分の生活が丁度16時間ほどの空腹がある毎日なので、ここに書かれてある空腹の時間は苦でもなく慣れれば直ぐに実行可能だと思う。

ただ、それが本当に体重減少に効いたり、中性脂肪や血圧を低下させることに寄与しているかというと、わたしの体験では「眉唾もの」ではないかと思う。何しろ、中性脂肪は高値安定、収縮期血圧も高値安定、体重減少も特に無いため… まあ、わたし自身ががん患者なので、この本の著者からしてみれば例外扱いされるのかもしれない。

そんなわけで、この手の本はあまり信じずに、年に1~2回程度、世の中の食材(生き物の殺生や、菜食等の自然の恵み)への感謝の意味で断食する程度で良い気もするけど、そういうと本書にのめり込んでいる人たちの反感を買うのかも…
まあ、本の売り文句に気をとられて、不健康にはならないでほしいものだ…


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?