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雑な暮らしの手帖

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日々、出会ったことからつらつら考えたことの覚え書き。
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記事一覧

ごまめ、マイクロチップを装着する

人生の半分近く、私のそばには猫がいる。初めて飼ったがじらは20年生きたうえに、猫の皮をかぶった人間のような性格でだったので、死んだときには、親が死んだときより悲しいと言う人の気持ちがよくわかった。今の2にゃんは多頭飼いの2代目。20世紀猫の先代2にゃんのときは、猫がこんなに人気のペットになるとは思わなかったし、猫向けより犬向けサービスのほうが圧倒的に多かった。時代は変わるものである。 21世紀猫たちも、ひなたは13歳、ごまめが12歳と、立派なおばちゃんの年齢になってきている

仙台の伝説の書店「八重洲書房」を思い出す

今日は書店の話題がにぎやかだった。経済産業省が「書店振興プロジェクトチーム」を設置し、本格支援に乗り出すという。提言した組織を構成する自民党の政治家や提言の内容を読むと、書店の減少に国が支援に乗り出す、という話に諸手を挙げて賛成できない面もあり、果たして本当に支援になるのか、という疑問はぬぐえない。具体的な支援策が出てくるまでは様子見なのかな、と思っている。 そんな話題をきっかけに、思い出すのは、仙台にあった「八重洲書房」という伝説の書店だ。なぜ伝説なのかは、私が書くよりも

歌った!踊った!泣いた!QUEEN+Adam Lambert東京公演初日[2024年2月13日]

4年ぶりのQAL日本公演。前回は新型コロナがひたひたと近寄っていたけれど、まだ海外との行き来が可能で緊急事態宣言が出される直前の、本当にギリギリの来日。奇跡のような公演だった。その時すでに最後の来日になるかも、と噂されてたけど、まさかまさかの再度のジャパンツアー。 なのだが、ワタクシ、今日までイマイチ盛り上がっておらず。チケットの発売が去年の8月だった上に、つい1カ月前に同じ東京ドームで観たビリー・ジョエルの余韻に浸っていたので、なかなかQUEENへ気持ちが向かなかった。

キッチンミノルさんの写真教室で光を学ぶ

夕方から私の写真師匠、キッチンミノルくんの写真教室に行ってきた。会場は千駄木の往来堂書店さん。第1回のテーマは「光」。カメラを持ってシャッターを切る前に、まずは観察してみることと、何を撮りたいのか、テーマをはっきりさせること。その上で、光がどの方向から当たっているのか、その光を使ってどう撮るのがテーマに合っているのかを考えることの大切さを作例を交えながら、教えてもらった。 キッチンくんの話を聞きながら、「そうだよなー。写真って光と影がキモだし、光があるからカメラで写せるんだ

あしなが育英会が大変!わしらの寄付プロジェクトも宣伝せにゃ!ということで

毎年、有志が集まって「あしなが育英会」の寄付プロジェクトを続けています。今年で13年目になる「RRチャリティ手ぬぐいプロジェクト」です。 どういうプロジェクトかというと、毎年、オリジナルデザインの手ぬぐいを作って販売し、制作と販売システムにかかる実費を除いた全額を「あしなが育英会」に寄付する、というものです。手ぬぐいの刷り枚数を決めるため、ご注文は予約制にしています。今年のご注文サイトはこちらです。 BASEのショッピングカートを活用しています。 ご注文の締切は、10月

今年もオリジナルデザインのチャリティ手ぬぐい予約販売が始まりました

2011年から有志の仲間と続けているオリジナルデザインのチャリティ手ぬぐい、予約販売のお知らせです。 【プロジェクトの歴史と主旨】 「RRチャリティ手ぬぐいプロジェクト」は、2011年の東日本大震災をきっかけに始まりました。有志の皆さんのご協力を得ながら、今年で13年目になります。 手ぬぐいをお買い上げいただいた代金のなかから、制作にかかる実費を差し引いたお金を、すべて「あしなが育英会」に寄付します。「あしなが育英会」は、交通事故や災害、自死などで親が亡くなり、遺児とな

野球愛が感じられない神宮球場(神宮外苑)の再開発(加筆修正)

初出:2023年4月14日 加筆修正:2023年5月1日(データ部分を増やしました。1万文字超え、スイマセン) 1000本もの樹木伐採が計画されている神宮外苑の再開発は、神宮球場をホームにするヤクルトスワローズのファンはもちろん、野球ファンの全員に関心を持ってもらいたい問題でした。 4月14日に開催された「『野球の聖地』伝統ある緑の神宮球場を守ろう!シンポジウム」に参加し、開発計画の不透明さに驚愕して帰り、この記事を書きました。そして、5月1日に加筆修正しました。何が問題

自分に「素直」か、他人に「素直」か

「素直」の言葉が持つ二面性 8月も20日を過ぎた頃から、テレビや新聞で、子どもたちに向けてのメッセージが目につくようになった。夏休み明けは、命を絶ったり、学校に行けなくなる子どもが多く、それを防ぎたいという呼びかけなのだそうだ。私の周囲には今、親しくする10代の子どもがいないので、「そうか、今の子どもたちは学校サバイバルが本当に大変なんだな」と思うくらいしかできないのだが、自分の子ども時代を振り返ってみて、一つの言葉が思い浮かんだ。「素直」の言葉だ。  日本では「素直」なこ

「おしん」からトレンディドラマに見る「家」思想

「家」に閉じこめられた女性たちテレビドラマ最高視聴率を記録したNHK朝ドラ「おしん」といえば、少女期の小林綾子のけなげさがクローズアップされることが多い。が、田中裕子が演じた青年期のほうが、きな臭さが漂う令和にはピタッとはまるのではないだろうか。 明治から昭和を生き延びた女性の一生を1年間の長丁場で描く波瀾万丈のドラマなのと、ネタバレしてもつまらないので、ストーリーは「まぁ、とりあえず、興味があったら見て」と言うしかない。今週で言えば、関東大震災ですべてを失ったおしん(田中

10年経つと埃もヴィンテージ

今年は届く年賀状がさらに減った。新型コロナの流行前までは、さすがに仕事先は営業ツールとしての役割もあって、どの仕事先からも年賀状が届いていたのだけど、リモートワークが増えた影響なのか、経費削減なのか、ぱったりと辞めたところが多い。 私も一昨年の年末から、「もう辞めようかなぁ、メールでいいかなぁ」と迷いつつ、年配の方や、年賀状だけのやり取りになってしまったメールアドレスを知らない古い知り合いもいるので、この新年も年末に送ってしまった。 今年は届いた枚数がかなり少ないので、お

人と会って話すことの心強さ

年末から年始にかけて、人と会って食事をしながらおしゃべりする機会が去年よりずっと増えた。新型コロナもまだまだ心配なので、人数を絞って、予防をしながら。 仕事では人と会い、話すことはだいぶ元に戻ってきたけれど、気の置けない友人たちと話すのとは、やっぱり違う。笑ったり、愚痴を言い合ったり、すぐに忘れてしまうような、たわいもない話をする時間がこんなに貴重だったなんて、コロナ禍の前には思いもしなかった。 友だちと直に顔を合わせて話すことは、気持ちを前向きにして、心のなかを軽くして

物語の力のよみがえり

たった一晩を越しただけなのに、1月1日になると、その年の未来を考えるようになる。2022年は不安定ながらも、それまでと同じように平穏な時間を過ごせるのではないかと考えていた生活が一気に下り坂に向かっているように思える年だった。実際に下り坂に向かっているのかもしれないが、そう言い切ってしまうと、本当になりそうで、断言することが恐ろしい。 そんな先行きに暗雲を感じた2022年だったが、一方で日差しの温かさにも似た変化も感じた。「物語の力」のよみがえりだ。 2011年に東日本大

オリジナルデザインの手ぬぐいを買って「あしなが育英会」に寄付しよう!プロジェクト始まりました

11年前から続く子ども支援のチャリティ活動 11年前から、オリジナルデザインの手ぬぐいを買っていただき、制作費にかかる実費を引いた全額を「あしなが育英会」に寄付する活動を続けています。始まったきっかけは、東日本大震災でした。とにもかくにも何かしなければ、という気持ちから友人たちと始めたところ、購入してくださる有志の皆さんのご厚意が本当に温かく、11年目も続くことになりました。  2009年まで寄付先は「あしなが育英会」の東日本大震災で被災した遺児たちを支援する「レインボープ

人は「数」じゃない、と思う日々

 東京は7月12日からすでに緊急事態宣言中だけど、宣言を出す都道府県が増え、感染が広がってきた影響で、8月の仕事のアポが先延ばしになってきた。今回の影響は、以前より大きくなるだろうなぁと感じている。  会社員の方たちよりはずっと家ごもりができる仕事でも、影響が出てきている。出社しなければならない方たちには、どうぞご安全に、と願うしかない。  東日本大震災を引き合いに出すのは顰蹙を買いそうだけど、震災後、なぜ津波の怖さをもっと自覚しなかったのか、なぜ周囲にもっと強く逃げろと