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【お金の絵本#30】コーヒーを飲んで学校を建てよう

 お金について子どもに教えたいけれど、時間もないし、どうやって教えれば良いか分からない、という方でも家庭ですぐにできる「絵本の読み聞かせ」。お金に関連する絵本をフィナンシェの会では紹介しています。
 今回のテーマは「払ったお金、どこに行く?」です。

ご紹介する絵本はこちら。
「コーヒーを飲んで学校を建てよう キリマンジャロとルカニ村 (月刊たくさんのふしぎ)」
著者 ふしはら のじこ (文・絵)
辻村 英之 (監修)
出版社: 福音館書店

(現在は販売していないようですが、お近くの図書館に蔵書があると思います)

■ コーヒーはどんなところで作られている?

 よく耳にするキリマンジャロコーヒー。どの国かご存じですか。この絵本は、キリマンジャロコーヒーを作っている国、タンザニアにあるルカニ村のお話です。実は、ルカニ村と日本には使いつながりがあるのですが、そのことを認識している日本人はごくわずかではないでしょうか。

 ルカニ村の人々の暮らしや教育、食べ物、そしてコーヒーの作り方について丁寧に描かれているので、読むだけでルカニ村に親近感を抱くことができます。

 コーヒーは、一つ一つ手で赤い実を摘み取っていくこと、コーヒーの値段はアフリカの事情は抜きで先進国の都合で決まってしまうこと、下がるコーヒー価格と高価な農薬によって苦しい時代があったこと…。そんな中、教育費や医療費を担保するため、高くコーヒーを買い取ってもらえないか、という話が出てきたそうです。フェアトレードの研究者である辻村英之さんを中心に、日本の消費者が少し高い値段でコーヒーを買うことで、ルカニ村の暮らしを守ろう、という動きが始まりました。

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 直接、「フェアトレードとは何か?」を説明している訳ではないのですが、価格が下がることによって苦しむ人がいること、買ったお金で誰かの生活が潤うこと、を肌感覚で実感できる素敵な絵本です。フェアトレードって…と思っている大人にぜひ読んでいただきたい…!

 5歳や8歳の娘にはやや難しい内容もあったので、もう少し大きくなったら読ませたいなと思っています。

■ ルカニ村のお金って?

 ちなみにタンザニアの通貨は、タンザニア・シリング。動物が描かれているので、お子さんと検索して探してみては? 

 仮想通貨にも前向きな国のようですが、本の中では、「女性産物」と呼ばれる物々交換をするための品物(バナナや牛乳など)、「男性産物」という現金を得るための品物(牛、ヤギなど)があることも書かれています。お金を使わずに市場が成り立っている、という面でも、とても興味深いですね。

■ 読みながら子どもと話そう

・このコーヒーはどこで作られたんだろう?
・コーヒー一杯の値段のうち、どれだけのお金が育てている農家に行き渡るんだろう?
・コーヒー以外にフェアトレードの考えがある食べ物に何があるかな?

* * *

 フィナンシェの会では、子どもと一緒にお金を学べる絵本をご紹介しています。過去に紹介した絵本はリンクからまとめてご覧いただけます。ぜひnoteのフォローもお願いします♪

(ようやく30冊ご紹介できました!)


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