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【フィナンシェ話#1】前編:韓国は官主導で子供目線の金融教育

 様々なバックグラウンドの方に伺う、幼少期のお小遣い、お年玉、寄付や投資のこと。そこから自分の子供につながるフィナンシェなヒントを探ります。

 初回は、筆者の大学の後輩で、韓国出身の金柔伸(キム ユシン)さんに、韓国のお小遣い事情や寄付について聞きました。先進的な取り組みもあり、驚きの連続でした。

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■ 中央銀行×お小遣い管理!?

── 韓国の金融教育を事前にネットで調べたけれど、情報が全く探せなかったので、色々教えてください。まずは、韓国ではお小遣いは一般的なの?

 その前に、こんなツールを見つけたので紹介させてください。中央銀行である韓国銀行(日本でいう日本銀行)が、子ども向けにお小遣い管理アプリケーションを作って提供してるんです。取り組みは2003年からだそうです。こちらはその画面です。サイトからアプリをPCにダウンロードして使います。

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── ペットが育てられる仕組みまで盛り込まれているなんて、継続するのが楽しくなりそう!

 そうなんです。韓国銀行はこのアプリの普及にとても熱心で、宣伝もよく行われいるようです。小学校の教科書にも載っていたという記事もありました。

■ 子ども自らの活動でお小遣いを得ることも

── アプリに書いてある、収入の項目の中の「リサイクル」って何のこと?
 これは、リサイクル品を売った時の収入のことです。ペットボトルや紙、ビンなどを持って行って、お金に替えてもらいます。欧州であるようなデポジットの仕組みみたいなものですね。韓国にいた頃は、収入のない高齢者がお小遣いを得る手段として一般的だったのですが、今の子供はどうなんでしょうね。

── そんな仕組みがあるとは…! 前々からデポジットは話題になっているけれど、日本では普及していないよね。さて、お小遣いは日本だと年功序列に上がっていくのが一般的だけど韓国は?
 韓国でも年齢が上がるとお小遣いは増えますね。小学校6年生くらいのお小遣いは月平均で2万ウォン(約2,000円)と記事にありました。生命保険会社の調査によると、65%の子どもは家事を手伝った時やお正月にお年玉をもらっており、定期的なお小遣いがあるのは35%だそうです。私の家庭では、お年玉は親に預けていましたね。今考えると親が使っていたんですが、友達の家も同じようでした。

── 親にお年玉を回収されるのは日本でも同じかも。
 家庭によっても異なりますよね。同じく韓国出身の夫は、小さいときに少額のお小遣いを毎日もらっていて、「欲しいものは貯めて買いなさい」、と育てられたそうです。大人になっても、「子供の時にお金を貯めてこれを買ったんだ」と記憶しているんです。性格も我慢強いですね。
 ちなみに、先程の生命保険の調査によると、お小遣いの管理方法のうち、23%が「計画に沿って消費」、22%が「使う計画がないけれどお小遣い記入帳を作成」、という回答でした。

── 子どもの時に「計画に沿って消費」なんてした記憶がない…。そして、お小遣い記入帳を挙げた割合も高いので、冒頭で紹介したお小遣い管理アプリは子供たちに結構使われていそう!

■ 子どもももれなくキャッシュレス

── 韓国のキャッシュレス比率は96%と高いけど、お小遣いもキャッシュレスなの?
 デビットカードの使用が一般的な国なので、子どもが使うときも恐らくデビットカードになると思います。韓国のデビットカードは、PASMOやSuicaのような交通系電子マネーとしても使えるので便利なんです!!

【フィナンシェ話#2】後編:韓国では寄付が流行!? に続く


文:Mari Kamei

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