「昔男春日野小町」翻刻 二段目
〈地〉すぎはひをあだにはなしそ著き、神の教へもそれぞれに、商ひ神や寿命神、病ひ疫病風除け火除け、水も漏らさぬ神垣は、山城国葛野郡、七野社の縁の綱、結ぶの神と諸人の〈フシ〉参詣日々に群集せり。
恋せぬはわしらばかりといふ化粧、雪と埋みし愛宕のお花、穂に顕れし緋桜の、お七といふてぼっとり者、どこに置いても〈ヲンド〉危なげの、独り歩きの名はお染とて、年は二八の二膳込み、〈ナヲス〉三十路一文字草深き、在所娘の三人連れ、〈フシ〉思ひありげに詣でくる。
中にもお花がどってう声、「〈詞〉コ