【『VIVANT』推ッス記念⑥】

　本日夜の放送で最後です。ぶるぶる……見たいような見るのが怖いような……。ちなみに私はTVがないので、明日以降に見逃し配信で視聴します。

　主人公の乃木憂助の中には「F」という別人格がある。心理的に問題を抱える幼い子供が自分の中にもう一人の自分や架空の友だちを作りあげる話はよくある。
　昔、『ヤヌスの鏡』という漫画（ドラマ）があった。乃木の中の「F」を見ているとその漫画（ドラマ）を思い出す。私生児の主人公のJKが頑固で厳格なババアのモラハラ、パワハラの下で育ち、その辛さから鏡の中の自分を友として話しかけるようになって、それをババアに禁止されてその友はいなくなったが、ずっと主人公の中に潜んでいて、あるとき別人格として表に出てくる。本人は別人格になっているときの記憶がないのが、優助とFとの違いだが、別人格が好戦的な性格であるというところがよく似ている。

　もしかすると、『VIVANT』最大の謎は、なぜ、主人公にこの二重人格設定がなされたのだろうということかもしれない。
　ストーリーとあんまり関係がないようだが、乃木の二重人格は、このドラマの裏テーマの示唆なのではないか。
　二重人格の乃木。事実上、二重生活の別班員。モニターもまた然り。テロを請け負うテントの慈善事業。家族を思い大切にするベギの裏切りに対する残虐な報復。ベギは裏切りという行為に大きなトラウマがあるからでもあろうが。
　まるでコインの裏と表のように、チンギスと野田のように敵が味方となり、山本と乃木や駐バルカ日本大使のように味方が敵となり……。
　そして、地球からは見えない月の裏側のように主人公の乃木も、ベギも、薫先生も、野田も、新庄も、別班司令も、アディエルも、見えそうで見えない、わかりそうでわからない部分がある。ドラムだって、ジャミーンにだって、もしかしたら「月の裏」があるかもしれない。だが、月の「裏側」は太陽の方から見たら「表側」になる。よく見える。人の顔も心の中も、社会の物事もそういうもんかもしれない。
　感情が表にいやでも滲んでくるノコルだって、実は……ってこともあるかもしれない。少なくとも現時点では、コイツが「ある意味」一番の正直者に見えるけれど。

　談だが、乃木の親友サムが『ルパン三世』のファンらしいが、アメリカン・オタクなんだな……。で、ルパンとくれば、銭形警部。チンギスは銭形警部がモチーフか？　だって、チンギスの執念の追っかけにずっと銭形警部を思い浮かべていたから。そういう繋がりか？　あ。それで、神田明神？　神田明神には銭形平次の碑があるんだって。「神田明神下の平次」だしな。考えが横過ぎか。

　さて。今回の謎はチンギス。あと、おまけ2名。

1．チンギスの家族は？

　結婚しているのか。子供はいるのか。それとも独身で一人暮らしか。両親と同居か。そもそも両親は健在か。
　このドラマは、「家族」が隠れ（てないけど）テーマだから、チンギスの身上も気になる。
　ドラマ本編とは関係がないが、やっぱり気になる。

2．チンギスのバルカ警察での評価とポジション

　「チョー優秀」ってドラムが言っていたから、評価は高いんだろうな。身体張った猛追の脳筋ガチンコ派に見えて、頭も切れる。
　そんな優秀なチンギスは、出世株なのか？　日本の警察で言ったらキャリアか？　ノンキャリか？　
　別班ズに出し抜かれはしたが、部下もなかなかに優秀。彼は部下の死に激怒していたし、部下との関係は良好ぽっい。慕われてるのかな？
　　

3．山本に家族はいるのか？

　独身ではあるが、両親とか兄弟とか、どうなってんの？　ドラマの中で言及してたっけ？　
　息子もしくは兄弟があんな死に方したら、彼らはどう思うんだろう。
　山本家がそもそも過激思想かもしれない。父親が実は70年代に社会を騒がせた過激派の一員だった！とか。その影響で山本もああなっちゃったとか。これはもう、妄想ですね……。

3．サムはもう出てこないのか？　

　別班以外の各国の諜報機関が何でバルカ国内で出てこないの？
　サムの言動からCIAやらSVRやらSISやら中国国家安全部やらアラブ圏の諜報機関やらも、バルカで入り乱れて活動してそうだけれど、全然出てこないね。何で？　ストーリーの収集がつかなくなるからなのかな。でも、ドラマの初っ端にストーリーの肝である「組織」の存在を主人公に教えた、主人公の親友がそれっきりってのは……。でも、きっと、それっきりなんだろうね。姿が出てこなくても、「話」に出てくれば用が足りるキャラだもんね。わかってるけど、アメリカン・オタクのオタクな活躍（？）も見てみたかった気がする。

　これで【『VIVANT』推ッス記念】ひとり企画は、とりあえず終わり。
　が。明日、｢番外編｣をアップします。ほんと、しょうーもねぇ、己のおっさん（おばさん）ギャグ心を満足させる以外の中身がない。自分（だけ）が楽しい。すんません。誰も読んでいないだろうけれど、謝っときます。