私は、こう見えて(どう見えて?)、実は片付けが大好きです。
本が好き、紙に何か書き散らかすのが大好きなので、子供の頃から部屋は「紙もの」で常にとっ散らかっており、母から叱られ続けていました。
大学、社会人時代も床は本やノートや紙きれで足の踏み場もない(当時はkindleとかなかったんですよ、今も持っていませんが)。汚部屋ではありませんが………いや、あれは汚部屋でした。
何がどこにあるか分かり辛く、滑りやすく、しかも燃えやすいという危険な汚部屋でした。

一度借りていた部屋がひどい雨漏りをして、大家さんが
「これはさすがに弁償します」
と言って見に来てくれたことがありました。
が、部屋を見回して
「被害は……うーん……基本的にメモばっかりですね」
といってほとんどお金にならなかった…
そんな思い出があります。
メモって…私には創作の種にしか見えませんが…とは口に出しませんでした。

そんな私が、30代でやましたひでこさんの「断捨離」に出会い、近藤麻理恵さんの「人生がときめく片付けの魔法」にもビックリし、なんだかんだいって根は素直に性格なので、というか数十年に渡る汚部屋生活に嫌気がさし、猛然と彼女たちのアドバイスを実行しはじめました。

まず本の山…。
あまりの多さに我ながら気持ちが悪くなるくらいだったので、トラックで引き取ってくれる古本屋さんに来ていただいたのですが、その古本屋さんをして途中で
「いやもう、これは…」
とすごく渋い顔をされる量でした(それでも沢山持って行って下さって助かりました) 。
それ以降は店舗に自分で持っていくようにしました。沢山の本を運ぶのは毎回すごく重かったです。でも若かったのでなんとかなりました。

当時心に決めていたのは、
「高く買ってもらうとかはどうでいい」
とにかく家から出す。減らす。
私は本は再読、再々読と何回も反芻するタイプなので、完全に血肉になっているものも多く、思ったよりあっさりお別れできました。
なんというか…もう私の中で生きているという実感があったのです。
逆に良く分からないもの、あまり読んでいないものはとっておくことにしました。
活字中毒者なので、「保管しているけれど読んでない本(いわゆる積読本)」はほとんどなく、
ジャンキーは興味があるけれど手を出さない、というような品のある行動はしない…
ということもこの時に悟りました。

特殊な漫画で血肉になっているもの(手放せるもの)は、わざわざ中野まで出かけて「まんだらけ」さんに。他の古本屋さんでも買ってくれるでしょうが、ここだと特殊な漫画を愛してくれる特殊な人に出会いやすそう…漫画さん、何回でも幸せになってね…そんな気持ちでした。
しかしここは手ぶらで帰るのが難しいという難点が…(^▽^;)。
まんだらけのある中野ブロードウェイは不思議な構造の建物で、そこに入るだけで「ワンダーランド感」もあって、毎回無駄に高揚していろいろ買ってしまうのです。中野に行くと毎回3回転半くらいの本末転倒を繰り返す(売って、買って、喫茶店で読んでやっぱり売って、でもまた続きを買って…)今思うと何でそんなに暇だったのが謎ですが、楽しい断捨離の記憶です。

さてさて…そんな楽しい断捨離、お片付け、掃除の作業ですが…

昨日は靴箱の整理をしたので、次はどうしよう…と何気なく机を整理したら、こんなイラストが出てきました。⇩

去年甥っ子に
「やすこ、おばけかいて」
と言われて描いたものですが、これを見た彼は、この人の母親(妹)はすごく絵が上手だということもあり、
「なんでやすこはへたなの?」
という素朴というか当然というか、大人には言い辛いことをきちんと表現してくれるので、私はおばけの頭の上に
ユーレイ
と書きました(そう、文字はすべて後から書いたのです)。
「おばさんは字が好きだから絵は下手なの。それに何でも名前を書けばその通りになるんだよ」
スマホでいろいろな国の言葉の「お化け」「幽霊」を検索して…
「ね、これは下手だけど、正真正銘のおばけだから!!」
………あれ? いない?

…いや、いいんですけどね。
このイラストは片付けておくね…となぜか自分のノートにしまったようで、私の机に入っていました。

そう、私は文字フェチ。
いろいろな本を手放してきましたが、文字関係の本とはお別れし辛い傾向があるんですよね…。

片付け2日目、たった1枚のイラストを見つけただけで、もう心がさまよい出しました。
「文字の本どこだっけ…もっとあったはず」
と探し出しては床に並べ、本棚はすきっ歯、毎度のことながら元に戻そうとすると場所を忘れていてなぜだか全部収納できない…(笑)。
とりあえず…あちこちに散らばっている文字の本を集めてコーナーでもを作ってみましょうか…。

今日はお片付けを邪魔するおばけが出て、私自身が「散らかし魔」になってしまいました。
明日こそは心を入れ替えて、あ、この「入れ替える」という表現も片付けっぽいですね…心を入れ替え、整え、頑張ろうと思います。