すなお

ずっと、自分の内容物がわからなかった
脳みそや心ぞう、肺がどこにあるかわからなかった
まるで未完成のおもちゃだらけのおもちゃ箱
真っ白なキャンバスのようで、絵の具だらけのパレットのようだった

あるとき、ぜんぶが傾いた
ちょうど水の入ったペットボトルを傾けるようにひとつに集まった
それらはぐつぐつと混ざって濁ってうごめいた
わたしが誰だかわからなくなった

それが何だったかは覚えていないけれど
たぶんゼラチンみたいなものがわたしに投げ込まれたのでわたしはぷるんと固まった
地に足がつくってこういうことか!
ぷるぷる
ぷるぷる
豊かに揺れているようで
実はヒビだらけだった
わたしはゼリー状(みたいでちがうなにか)でおおわれた孤独そのものだった

ゼリーが、どろどろ、どろどろ
ダイラタンシー現象っていうやつかも
洗い流すのは厄介だったよ、ほんとうに
なかから出てきた鉱石は知識がなくてよくわからなかったけれど、おおよそ叩いたり削ったりしてみたところ、
わたしは素直に生きれるようになった
素直ってほんとうにすてき
ビーズがころがるようで
とてもおもしろい
だけど、ビーズは目を見張っていてもどこにはいりこんだかわからなくなってしまう
収拾がつかない!

ーーー苦しかったな。

ーーー小豆洗いをしてみた
はたまたサラサラ砂をつくるように
右へ…左へ…
すると粒子の細かい砂が残った
もともとの量からしたらとても少ないね
あんなにたくさん箱から溢れていた玩具を誇らしく思っていたこともあったね憎んだこともあったね
わたしには過去なんてないと思っていたこともあったね未来なんてないと思っていたこともあったね
素直って、好き勝手にはねるポップコーンみたいなことじゃなかったね
素直って、小さなビーズの集まりじゃなかったね
素直って、利用するものじゃなかったね自分を苦しめる道具じゃなかったね
やっとわかったよ
砂は尖っていたら何回も揺らして角を取れば良い
不純物は少しずつ落としていけばいい
少しでいい
すこしでいいんだ

今日も街を歩く
見るもの全てが刺激的だ
変わらない感性も、扱い方が大事
だってあたし、今、生きててよかったって思ってる
明日も思えますように
隣の誰かも思えますように
おもえますように。




いつも私の人生と拙い言語化をみていただきありがとうございます。

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