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メンヘラは肺に穴が開いた方が同情される 自然気胸(イケメン病)になった時の話

最近思うのが、精神疾患だと同情されないのに、肺の病気だと同情されると言うこと。

数年前、胸が痛過ぎて道端で倒れ込んでしまいました。すぐに救急車で運ばれ、レントゲンを撮られたのですが。なんと肺に穴が空いていたことが発覚。
診断結果は自然気胸、通称「イケメン病」というやつです。
(※実際、痩せている若い男性に多い)

僕がイケメンかどうかはともかく、肺の病気になるのはカッコイイ。映画グラントリノも肺癌だし。イーストウッドのような心境を味わえる。
(ちなみにAnotherの主人公も同じ病気です)

生産性の無い精神病のニートは叩かれる。
病んで寝込んでたら根性無し扱いされる。精神薬の副作用で吐いて倒れてたらみんなから責められる。

でも、肺に穴が空いて寝込んでいても誰も責めてこないし、治療方法も基本的には布団の上で横になるしかない。
そういう医者の助言をみんなが理解してくれる(精神病も同じなのに)。その間、コンビニ弁当生活で一気に6キロ太っても、誰も咎めてこない。

精神薬の副作用で下痢しまくって苦しんでいた時は誰も味方してくれなかったし、「お腹が痛いくらいで大袈裟……」くらいにしか思われなかったのに。
「肺に穴が空いた」という分かりやすいインパクトでみんなが同情的になる。みんなが優しくしてくれるので、むしろ、肺に穴が空いて良かったとさえ思った。

ペットのインコも、飼い主が優しくしてくれるから仮病をしてしまうこともあるらしい。
僕の中で「肺の病気=尊くてカッコいい」という間違った認識が出来上がっていく。周囲の対応がそれを増長させていく。
実際のところ、苦しいかと言われるとそうでも無く。むしろ、精神病の方が遥かにキツイのに……。

誤解が無いように言っておくと、僕の場合は比較的軽度だったから余裕があった。
「精神病じゃない、自然気胸の人」を叩くつもりは無い。

精神病の人は「ニートだから、早く死ね」と可哀想なことを言われまくる。社会的弱者には生きる権利すら無い。
メンヘラ達も心臓の病気、肺の病気、あるいは交通事故で死んでいたら、ものすごくかっこよくなれたのかなぁ。

時々、ミュージシャン志望のニートでメンヘラの友人が大物になっている妄想をしてる。
肺の病気で亡くなった僕の死をエモい感じに歌い上げて、Mステでカッコよくインタビューに応じている。僕の生前のオタクエピソードをしれっと語ったら喜ばれるのでしょうか。

スピッツの「ロビンソン」や、なるたるOPの「日曜日の太陽」みたいな名曲になったのかもしれない。

「死」や「病気」は誰かが受け止めた時に初めて価値が生まれる。一人で抱えているのは苦しいだけでしか無い。
精神疾患を罵倒されるよりも、誰かが悲しんでくれて優しく歌い上げて欲しい。
ちなみに、みんなが優しく対応してくれたから、穴が空いたのは右だったのか左だったのか忘れて来ています。

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