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食生活を見直してみた 1

私の夫は太っている。
もともと太っていたわけではない。しかし今ではどう贔屓目に見ても、痩せてはいない。

太った直接の原因は、コロナだと思う。在宅勤務になって出かけなくなった。
在宅勤務になったのは彼だけではない。私も在宅勤務になった時期はあった。
でも私は概して言えば、在宅勤務が嫌いだった。通勤時間が節約できるとか、仕事内容によっては集中できるとか、いい点もあった。でも、家はオフィスではない。パソコンの画面は小さいし(それどころかしばらくの間、タブレット端末だった)、電話は携帯だし(長い時間かけるにはかけにくい)、仕事がしにくい。
だけど私がいちばん嫌だったのは、在宅勤務だと気分転換しにくく、運動不足になることだ。
一日中家に居て、外に出ない。気分転換に散歩に出たりしてもいいのだろうが、性格的にそういうのは難しい。そのうち、昼休みや業務終了後には出かけるよう心がけるようになったし、家でYouTubeでエクササイズなどもやるようになったが、それでも全然足りない。
普段通勤がいかに運動に、そして気分転換になっていたかということを痛感した。通勤だけではない。オフィス勤務も外回りもだ。外回りをすれば言うまでもなく歩くし、オフィスにいる場合でも、オフィスは我が家の何倍も広い。自然にフロアを歩き、階段を上り下りするのだ。

そして仕事が終わったら買い物をする。
私は料理は平日、作らないことにしている。一日働いて疲れているのに、その上なぜ家事労働する必要があろうか、せっかく出来た食べ物がふんだんに売っているのに、それを利用しない手はないだろう、と考える。夫は料理ができないから、夫に作ってもらうわけにはいかないし、それなのに私だけ毎日料理するなんて論外だ。
現に台湾だって朝食から外食が前提だし、香港も確かそうではなかったか。料理という家事をしない地域は世界には多いし、そうでなくとも日本の女性は家事をやり過ぎていると言われている。私は別に、料理が下手でもなければ嫌いでもないが、労働として料理をするのは勘弁願いたいのだ。
だから夕食は買う。高くてもちゃんといいものを買う。働いてるのだから、それくらいのお金はある。そして買うという労働は、私にとって全く苦にならず、むしろ楽しい。
そういえば以前、会社の一回りくらい年下の男性の同僚が、手作りした料理が宅配で届く、サブスクサービスを利用している、と言っていた。そのくらいの年代の夫婦は、完全に家事も育児も分担している人たちが多い。彼の妻は働いていて、料理は私と同様しない。子供がいない私と違って子供がいるのだから、なおのこと、料理なんて作る暇はないに違いない。

そんな具合で、平日私は料理しないのに、在宅勤務になったら料理しなくてはならないのだ。しなくてはならないことはないが、家にいるのにわざわざ買いに出るくらいなら、作る。
それまでは朝ごはんを並べるだけだったのに、初めは昼食まで作っていたので、料理労働が従来の6倍くらいには増えた気がした。昼食や夕食は、朝食に比べると手間がかかるのだ。だから程なくして、昼食は外食もしくは買いに出る、もしくは残り物になったが。そういえばコロナの間だけは、マンションにキッチンカーもやってきていた。

ともかく、いろいろな意味で私は、在宅勤務が嫌いだった。それなのに夫は、在宅勤務が大好きだった。
彼はそもそもインドア派で、家がもともと大好きだし、仕事自体も私みたいに根を詰めずに、テレビなんかを見たりしながら、リラックスしてやっていた(あとで知ったが、同じ会社の同僚にも、同じような人物がいた)。
運動不足もそんなに気にならないみたいだった。私がYouTubeをやるときに一緒にやるように誘ったり、散歩に誘ったりしても、渋々付き合うという感じで、別段やらいならやらないで問題なさそうだった。
私からすると不思議だったが、まあそういう人がいてもおかしくない。しかし間違いなく、太る要因にはなった。
〈2に続く〉

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