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欠乏の幸せ

なにかしら欠けている方が、良かったりする。

お腹がとても空いていると、食べるのが楽しみで仕方ない。塩結びでも十分に美味しい。

登山で登った後の水はペットボトルでも格別である。

でもいざ満たされると、今度はいらなくなる。食事は食べすぎると食べ物を見たくもないという状態になることも。

ないのはまずいが、ありすぎても困る。

過ぎたるは尚及ばざるが如し。

旅行に行ったとき、自分へのお土産は買わないようにしている。お金がそんなにないのがそもそもの理由だが、それ以上に買わない方がいいこともある。

うわー買えば良かったと思うこともあるが、そう思う方が旅行の思い出がより鮮やかに保存されるような気がして。

欲しいと思ったものを買って楽しむのもとても良いし、買う時もあるが、ないことによって旅行の記憶がより充実したものになる、ような気がする。

子供のころ、よくキャンプに連れて行ってもらったが、そのころはスマホもないし、グランピングでもなかった。

テントを建てるのに苦労するし、体も十分に洗えない。なんなら、男だけで行ったキャンプでは、トイレが汚すぎて、みんなで野糞したこともある。

グランピングにすれば、上げ膳据え膳でキャンプ気分を味わえるし、やってみたいなと思う。

ただ、何か欠けている方が、楽しいと思う。1日くらい体が洗えなくてもなんとかなるし、飯盒すいさんで間違えてほっちんになっても、おもしろい。

生活で、最低限は揃っていて欲しいが、多少欠けていた方がいいというのはわがままである。

でも、生活のなかで、あえて買わない、食べない、という選択をすると、なんでもないようなことが幸せだったとおもえるときが来るかもしれない。

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