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里帰りインド旅行記2023               思い出の上書き2

この記事は下記の続きです。
よかったら併せてお読みください。

長男の嫁が、優しい笑顔で
孫をあやしている姿を見て、
ごく最近、思ったことがあります。

インドで暮らしていたころ
あの当時、長男が一番望んでいたものは、
安心して遊べるきれいな公園でも、
おいしい日本のお菓子でもなく、
母親である私の笑顔だったのではないか?ということ。

もちろん、
そんなことは長男本人は自覚も言葉にもできない年齢でしたが、
私が毎日ニコニコしていたら、
ただそれだけで彼は十分幸せだったのかもしれません。

インドでいくらもがいても、
日本と同じものや環境は与えられないのは百も承知
でも何とか手に入れようと私はいつも必死でした。

それが我が子のためであり、
私の一番大事な仕事、と思い込み、
笑顔より眉間のしわの方が多い日々を過ごしていた気がします。

こんな大事なことになぜ気付けなかったのだろう・・・。

自分の未熟さを悔やむ気持ちもありますが、
一方で仕方がないこと、とも思います。

なぜなら、人は大抵、
渦中にいればいるほど、
自分や周囲の状況を冷静に見ることが困難だからです。

多分、こういうもがきは、
どこに暮らしていても同じように起こることでしょう。

たとえ私たちが日本で暮らしていたとしても
何かしら葛藤があったのだと思います。

もっと言えば、
世の親たちがいつも抱えているもの、とも言えるかもしれません。

25年前幼かった長男も今は父親。
当時の私の思いを、今なら分かってくれそうです。

ホテルよりガンジス川のガートを眺めて

『過去の事実は変えられない』と言います。

インドに暮らしていたこと
私が悩み、苦しみ涙していた事実もそのまま。

でも今回の里帰りインド旅行で、
当時の私を苦しめていた本当の理由を
掴むことができたと感じています。

自分が我が子に最高のもの(私がそう信じている)を与えたい、
と思っているのにできない。
そのもどかしさ、不甲斐なさ、罪悪感は確かにあったけれど、

「私はインドそのものを否定し、
拒絶していたわけではなかったんだ・・・」

今はこのように自分の中で整理することができました。

インドを受け入れることができなかった自分を
心のどこかで責めていた状態から
解放された感じがしています。
旅行前とは大きく認識が変化しました。

そう、過去の事実は変えられないけれど、
今からでも捉え方を変えることはできるのです。

思い出というのは、
その時の捉え方や感情の記録でもあります。

私はこの旅を通じて、
思い出の上書きができた、と思っています。

そしてこれは、
コーチングを学んだからこそたどり着けた場所です。

私を形作っている大切なピースの一つであるインド

そこで一生懸命頑張っていた自分を
懐かしさと、ほろ苦さと、愛おしさ
それらの入り混じった思いで
いま、見つめることができています。

*最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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