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スポーツ感動の実話 ラグビーW杯「同点じゃ歴史は変わらない!」

2015年、イングランド(ブライトン)で行われた
ラグビーワールドカップで、奇跡は起きた……

世界ランク3位優勝候補の南アフリカと日本との戦い。
W杯で2度の優勝、通算成績25勝4敗(W杯最高勝率)という
破格の強さを誇る南アフリカ
一方の日本は、W杯通算1勝21敗2分という屈辱の歴史……。

ラグビーは、その性質から番狂わせが最も起きにくい競技であるため、
南アフリカが圧勝するというのが大方の予想だった。

その3年前、日本代表のヘッドコーチにエディー・ジョーンズ氏が就任。
彼の
「日本ラグビーを変えるにはW杯で勝つしかない」
という強い信念のもと、
世界一と言われる猛練習に耐え続けた選手たちは、
W杯までの3年間で大きな変貌を遂げていた。

ヘッドコーチのエディーは、この試合に全てを懸けてきた。
前年、選手たちに送った年賀状に、こう記していた……。

2015年9月19日。ブライトン、午後8時。
南アフリカ戦キックオフまであと627日。
「歴史を変えよう!」

南アフリカとの試合は、
戦前の予想を大きく覆す、一進一退の熱戦となった。

29対29同点で迎えた試合終盤、
南アフリカの猛攻に、日本は好タックルで耐え続けるが、
反則をとられる。

南アフリカはトライを狙わず、ペナルティゴール(PG)を選択。
確実にゴールを決め、32対293点を追う日本
試合時間は残りわずか……

すると、終了間際に、
今度は相手の反則でPGのチャンスを得た!
名キッカーの五郎丸にとって容易な位置でのPGで、
決まれば同点!

残り時間を考えれば、あとワンプレーで試合終了となる。
当然のように、エディーコーチはPGを指示した。

ところが、円陣を組んだ選手の一人が声を上げた

「同点じゃ歴史は変わらない!」

猛特訓に耐え続けてきた選手たちの強い思いは同じだった。

なんと、コーチの指示に反してスクラムを選択
超弱小チームが、世界王者に真っ向勝負を挑んだのだ!

既に試合はロスタイムに入り、
このプレーが最後のプレーであった…。

相手ボールになっても……
反則をしても……
プレーが切れれば試合終了となる。

スクラムから連続攻撃を続ける日本、
耐え続ける南アフリカ…。

固唾をのんで見守る観衆が目にしたのは、
彼らの闘志が生んだ奇跡の逆転トライ(5点)だった!

「ラグビー史上 最大の番狂わせ!」
「スポーツ界 最大の衝撃!」
と世界中を驚愕させ、
この逆転トライは「W杯最高の瞬間」にも選ばれた。

★ NHKサンデースポーツより(出典:土橋俊紀チャンネル)


そして、4年後……、彼らの熱い思いは、更なる飛躍を生む。

4年後の2019年、日本で開催されたラグビーW杯で、
日本は再び世界に衝撃を与える。
世界ランク2位で優勝候補のアイルランドを
19対12で破り、初の決勝進出を果たした。

"ONE TEAM" を合言葉に快進撃を続ける日本の戦いを、
奇跡と呼ぶものはなかった。

きつい練習に耐え続けたのも、
強敵にひるむことなく真っ向から立ち向かうことができたのも、
強い思いがあったからだった。
自分を信じること。仲間を信じること。あきらめないこと。
One for All,All for One.
桜のジャージを着た勇者たちが、大切なことを教えてくれた。

こんなに辛い事はなかった。
こんなに苦しい事はなかった。
こんなに悔しい事はなかった。
でも・・・こんなにうれしい事はなかった。

伏見工業高校ラグビー部


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