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1月6日(金):「恐れのない組織 『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」②

昨日までの続きで本日も書籍「恐れのない組織 『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」に関する内容を少しばかり。

現在のような知識労働主体になっている現状やチームで協働する時間が増えていることから、心理的安全性の重要性は増していると思います。

先日に紹介した書籍「対話型マネジャー」のように上司と部下スタッフ間での「1on1」を活用しながら個人や集団の能力を引き出して最大化していくにも心理的に安全なカルチャーを築いているかどうかは重要だといえるでしょう。

昨日は組織に心理的安全性があることで得られる効用としては次のような点を挙げました。

・対話の量が増えて積極的なアイデアや行動が増える

・人間関係への影響を懸念せずに指摘し合える、ミスも迅速に報告して修正できる

・保身ではなく共通の目標を達成することに集中できる

・チームの学習行動が促進され、パフォーマンスも向上する

一方で心理的安全性にありがちな誤解を招かないために、次のような点への理解も必要です。

・心理的安全性は率直に建設的な発言ができる状態であり、意見へ反対しないことや無条件に支持を得られることではない

・心理的安全性は単に感じよく振る舞うことや、気楽さ・心地良さを指すものではない

・心理的安全性は目標達成基準を引き下げることではない

・「心理的安全性=高パフォーマンス」ではなく、そのための土台になるもの

その他、心理的安全性の特徴として以下のような点にも留意をしておかなければなりません。

・心理的安全性はグループの特徴として表れ、対人関係の文化が組織内のグループごとに大きく異なる。強力な企業文化を持つ会社でも、部署によって心理的安全性が高かったり、低かったりする

・心理的安全性の度合いは個人との相互作用であり、個人の感じ方・認識によっても左右される

・心理的安全性は脆く持続しにくい性質があるため、それが保たれるように腐心する必要がある

では、どうやって心理的安全性を実現していくのか、です。

本書では心理的安全性を「対人関係のリスクに悩まされることなく、みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」としていました。

反対にものを「言えない」「言わない」が蔓延してしまうのは、「言う」ことの先に望ましくない何かがあるからにほかなりません。

そこを取り除いていくことが大事で、とりわけ「失敗」に対する組織や上司の捉え方、態度といったものがそこに深く関与しているから、そこの在り方を変えていくことなどが示唆されています。

先ほども記したように心理的安全性はグループの特徴として表れ、対人関係の文化が組織内のグループ・部署ごとに高かったり、低かったりする面があるから、どんな小さなグループでもリーダーを担う人は本テーマへの理解を深めておく意義はあると思います。

「恐れのない組織 『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」
エイミー・C・エドモンドソン 著
英治出版

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