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類似UIは競合優位性にならない

※このnoteは個人的な意見で企業を代表するものではありません. 
また特定の企業やプロダクトを批判する意図はないことを了承ください.

2022年1月にau Payはアプリの大幅なリニューアルを発表しています。

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上記のような大幅なUI変更をおこなっており、導線やナビゲーションについてもリニューアルされました。

一方で既視感のあるUIについてはSNSでコメントありますが、比較的好意的な意見が目立つように思います。(観測範囲での感想です)

これに対して以下をツイートしたところ少し反応をもらったので個人的な意見をちゃんと140文字以上でまとめておこうという旨です。

結論だけ言うと、似たようなUIが出てくることについては比較的肯定的な意見を持っています。

表面上のUIは競争優位にならない

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SNSで散見される類似のUIは上記画像になります。細かくみると右上のベルマークの仕様やカード下のアイコンの並び方まで同じような構造になっています。

これを意図したものかどうかは知り得ないのですが、1つ言えるとすると表面上のUIはすぐに作ることができるということだと思います。

デザインツールやコーディング技術も各社で差異がなくなってきてることも考えると、どこかで見たことがあるUIを再現しようと思えばできてしまうということです。

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少し前の例で言うとフリマアプリも各社同じようなUIで並んでいます。ぱっと見では区別がつきませんし、どこが最初だったのかはユーザーにとってどうでも良いことだと思います。

※一方でUIデザインがプロダクトを使う上での重要な要素の一つではあると思います

1ユーザーが複数のプロダクトを使っている可能性

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QRコード決済サービスにおいてもフリマアプリにおいても、1人のユーザーが複数のサービスを使っている可能性があります。特にマッチングアプリは併用が推奨されているほどで、どこも同じようなUIと機能を兼ねてます。

すると同じカテゴリのアプリが同じようなUIだった時に、ユーザーからするとあまり不便がなく、使いやすいと感じることがあると思います。

一方でフリマアプリといえばメルカリ、QR決済といえばPayPayといったように似たようなプロダクトの中でもシェアの差異はあります。ここは1ユーザー観点で見た時には、見た目以上の差が出てくるということだと考えています。

UI以外の競合優位性を作る(Moat)

結論表面上のUIはプロダクトシェアを取る上で一要素でしかなく、それが必要十分条件になることはないと考えられます。

じゃあ何をしたらシェアを奪えるかというとDCMの原さんがMoatという概念で以下を指しています。

スタートアップが利用すべきMoat
- ネットワーク効果
- 囲い込み/スイッチングコスト
- ユーザーへのアクセス/ディストリビーションチャネル
- コスト優位性
- テクノロジー優位性

スタートアップが利用しづらいMoat
- ブランド
- 第一想起 (top of mind)
- 規模の経済
- 免許/許認可/特許/排他的な契約
- 卓越したオペレーション(オペレーショナルエクセレンス)

上述ではスタートアップとなっていますが、大きな企業でも似たようなUIのプロダクトがたくさん出てくる場合は同じような心持ちで戦う必要性が出てくると思います。

また似たような観点で意見をまとめた記事は以下になります。

個人的にはみんなが使い慣れているUIだったり、言葉遣いを取り入れるのは戦略の一つかなと思います。一方で銀の弾丸がないのが大前提で、もっと細かなカスタマージャーニーで体験を磨くことが地道ながら確実だと思われます。

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