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ビーチサンダルの魔法

ほとんど梅雨も味わっていないうちに、急に夏がやってきた。

6月に入ったばかりの頃、
「1ヶ月後にさ、"梅雨っていってもほとんど雨降らなかったね〜"って言ってるかもね。」
みたいなことを言っていたら、本当にそうなってしまった。

梅雨が長いと、早く終わってくれないかなあ、と言っているだろうし、
終わってしまったら終わったで、もう少し雨が欲しかったな、と思う。
どちらにせよ、わがままに何かしら言っている。

・・・

週末、暑くて朝早く目覚めてしまった。
カーテンを開けると、まだ6時台なのに太陽は高く上がっていて、
朝日なんてレベルをとっくに超えていた。

週末なのに起きちゃったなと思いつつ、まあせっかくだから散歩でもしようと、Tシャツに着替えた。玄関に出て、普通のサンダルを履こうとしたが、そうだ、と思いついてビーチサンダルを出した。

沖縄ではメジャーな『島ぞうり』
大学時代に石垣島でその存在を知り、ずっと愛用している。滑りにくく履き心地がいい。普通のビーチサンダルと大差ないのかもしれないけれど、島のものだと思うと、なんとなく自分も島の人間になった気がする。

島ぞうり(ビーチサンダル)を履いて、近くの神社まで歩いた。

ビーチサンダルを履いただけで、普段見慣れた景色が、どこか旅先のような気になった。まるで南国にあそびにきていて、朝ごはんの前に少し散歩している風景だと錯覚した。さすがに南国だから暑いなあって。(※ここは東京)

沖縄の人にとっては、ビーチサンダルはなんでもない存在かもしれない。けれど、私にとってのビーチサンダルは、夏の象徴でもあり、ちょっと特別な存在だ。

馬鹿馬鹿しいかもしれないけれど、たった一つ身につけるものを変えただけで、こんなにも世界がガラッと変わるんだ。それが楽しくて仕方がなかった。

参拝していると、一眼レフを持ったおじさま達が神社に撮影しにきていた。彼らと一緒に鳴き声のする方を見上げると、モモンガみたいな動物が、枝から枝を飛んでいた。
本当に南国みたいだなと思った。

「暑い日のビーチサンダル」みたいな存在って、もしかしたら身近にたくさんあるのかもしれない。ちょっと探してみようかな。

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