『私に付け足されるもの』長嶋有 感想

このツイート見かけて、読むぞってリストに入っていた『私に付け足されるもの』を読んだ。

オススメしているのはロロの三浦さんという人で、私は最近、ロロの「いつ高」シリーズを追いかけはじめて、劇場に足を運んでいるので、好きかもしれないから読んでみようと思ったのだ。

長嶋有という名前は地元の図書館でめちゃめちゃ目にしていて『猛スピードで母は』というはちゃめちゃなタイトルに目を奪われていたのに、なんとなく作品を読んでいなかった。
むしろ、その近くに中島らもがあって(五十音順なので)『君はフィクション』という短編を読んだ記憶はある。「でこちん」という作品が忘れられない。

とか、そういうことはどうでもいいんだけど、とにかく初めて長嶋有を読んだ。『私に付け足されるもの』は短編集だったのだけど、最初の短編はあまりピンとこなくて「んー、なんか違ったかも?」 と思ったら、2つ目以降は結構どれも好きで、やっぱり好きじゃん。と思いながら読み進めた。
「桃子のワープ」という短編が個人的には一番良かった。この短編集の作品は、作品の内容を説明すればするほど、それは野暮ってものだよ、と言いたくなるようなものだし、作品を読むよりほかに、作品を味わう方法がないので気になる人は読んで確かめてほしい。

最初のツイートにあった「潜行するガール」はたしかにめちゃめちゃいつ高だった。中年女性を主人公にした短編が多い中、女子高生が主人公で、結末のあたりで「んあぁ、若さとはこれ」という気持ちになる。懐かしい。
この作品に限らず、どこかいつ高と似ているなと思う部分があるんだけど、それは超具体的な曲名や、人名や、作品名が作中に現れて、それが物語のエッセンスとして機能しているところだと思う。

キム・ヨナかぶれのうざい子がいるんだよ

これは「潜行するガール」のセリフの1つ。体育でやっているダンスの曲を『トゥーランドット』にした理由について、こう言うのだ。まさに、こういうところがいつ高を彷彿とさせる部分だなと思う。

これを機に、長嶋有読むか、という気持ちになった。全然関係はないんだけど、三崎亜記とかも超久々に読みたくなったので、まずは新刊調べようと思った。

#感想 #エッセイ #読書 #長嶋有 #ロロ #いつ高

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