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人生の夏休み

今までの人生、わたしは「休む」ということを知らなかった。

小さい時から沢山習い事をして、小学校には電車通学、中学受験もしたからいつもすごく忙しかった。でも別に特別自分が忙しいとも思わず、当たり前のように毎日いろんなことをこなしながら生きてきた。

それは中学に入ってからも一緒で、習い事やら部活やら勉強やらなんだかんだ毎日めちゃくちゃ忙しくて、それでも毎日楽しく生きていたように思う。


そんなこんなで今までずっと突っ走ってきた人生だったが、2020年、かなり人生が変わった。

大学受験に失敗して第一志望の国立大学に行けずに、センター利用で引っかかった大学に進学し、そのままコロナ禍に突入した。

自分で入りたいと思って入った大学だったけれど、一度も大学には行けないまま月日が流れ、毎日ぼーっとあつ森をする毎日。自分のぜんぜん経験してきていない分野の学科だったから知識もなく、本当に異世界に迷い込んだのかと思った。

それからはや3年、もう3年生になったわけなんだけれど、この3年間ほんとうに色々なことがあったように思う。

1年生の時の記憶はもう全くと言っていいほどない。2年生からは、大学の学園祭のようなものの委員で本当に忙しくしていたので、充実していたし、それのおかげでとても親しい人ができた。

3年生になって、もう卒業後のこととか考えないと行けないなと思いはじめた矢先、急にふっと真っ暗なトンネルを抜け出したタイミングがあった。
ずっとやめたいやめたいと思っていたバイトを辞めて、本当にやりたいバイトに応募したりしてみて、ちょっとだけ時間に余裕ができたとき、ふと、わたしはもっと自由に、たのしく、生きていってもいいのかもしれない、と思った。

ずっと苦しくてつらくて真っ暗な場所で、どうしたらがんばれるのか、がんばりたい、けどがんばらない、自分がどこにいるのかわからない、でもここから逃げ出したい

ずっとずっとそんなふうに考えていたけれど、そもそもそんな頑張る必要がないのではないか、と行き着いた。

そこからわたしは、とことん休んでやろう!と思い、ちょうど夏休みだったので、とにかくぼーっとした。人生で今まであまり経験したことがなかったが、「丸一日なにもない」という日を何日か過ごした。

夏休みがおわって、
「ああ、わたしは人生の夏休みをやっと過ごせたなあ」と思った。

大学生活は人生の夏休みだ、と言われることがある。
実際大学生活を数年過ごして、そんな周りが言うほど自由ではないし勉強もするし、夏休みとはほど遠いものなような気がする。
けれど、わたしたちはもっと人生の夏休みを過ごすべきなんじゃないだろうか

小学生の時すらも過ごしていなかった、好きなところに行ったり遊んだり、ぼーっとしたり、そういう期間を「夏休み」と言うのであれば、わたしはやっと「夏休み」を過ごすことができたと思う。


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