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ベラゴアルド名鑑【その12】

アイカレ
性別:男
年齢:通算すれば160年余りベラゴアルドに留まっている
身長:体長192cm
体重:55kg
利き腕:左であったが左腕は消失
出身地:生を受けたのはハースハートン南部との記述在り
髪:黒
眼:黄味がかった白目と濁った黒い瞳
武器:継ぎ接ぎのクロモジの杖
道具:用途の分からぬ道具やスクロール(巻物)

紐使いバライガ、蛇使いの魔女ウルウミと並び、かつてベラゴアルドを恐怖に陥れた『南方の三魔導士』のひとり。二つ名は『紋殊(もんじゅ)使い』。スクロールに封じ込めた強力な攻撃魔法を扱うことを得意とする。
まともな人間であった頃のアイカレは、アムストリスモ魔法学校で『蜘蛛眼のオイノス』に教えを受けていたが、闇落ちし、闇の魔法使い(ネクロマンシー)となる。後にオイノスに討伐されたとされていたが、どういう経緯か生存し、マリギナーラの塔に潜んで怪しい研究続けていた。
学園の頃はまるで目立たぬ性格だったようで、当時の彼に関する文献も彼自身が取り組んでいた研究成果も残されていない。
また『南方の三魔導士』の南方とは、三者の出身地が南方であるというわけではなく、同時にタイロン大陸西部で確認されたことから単純にそう呼ばれたに過ぎず、当時は三者の明確な繋がりさえも確認できなかった。
ともあれ滅び去ったとされていたアイカレは、百年余りの時を経て再び現れた。当時その事態を知り素早く対策を練ろうと試みた者は『沼地のメチア』のみであった。その時分のアイカレは、ごろつきを雇い、奴隷の子どもたちに過酷な労働を強い、マリクリア鋼を精製していたと推測される。また、目をつけた子どもを実験台として扱ってもいたようだ。どうやら研究の目的は、従順なライカンの軍団を創ろうとしていたようではあるが、真相のほどはわからない。そもそもマリクリア鋼がライカンとどう関連付けられるのか、それについての根拠すらない。おそらくは正気を失い、まるで意味のない魔法研究を何年も続けていたのだろう。メチアや正常な魔法使いにとって、アイカレの研究はそれほどに荒唐無稽なものであった。



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捕捉知識
●闇の魔法使いについて

・死を司る闇の魔法使い、あるいはネクロマンシーとも呼ばれる。ひび割れた顔に、継接ぎの杖を携えている。それは正しき魔道を逸し、魔境を彷徨い、闇に囚われた者の末路である。

・魔境に落ち込んだ者は、死者でありながらベラゴアルドに留まり続ける。そしてその矛盾に耐えきれずに杖は崩壊していく。だからネクロマンシーはそれを押しとどめるふうに、杭や別の素材を継ぎ足し、杖の崩壊を押し止めている。

・闇魔法(ネクロジカ)は、世の理を無視した、いわばリミッターの外れた巨大な力を持っている。あらゆる制約と世界の理に準じて魔法を振るう正統な魔法使いは、闇魔法に対抗する術は皆無ともいえる。

・闇魔法の核心はほとんど知られていない。なぜならそれを研究することもアムストリスモ魔法学園では禁止され、知ることさえも禁忌とされているからだ。またその対策方法もほとんど確立されてはいない。魔境に入った者は形骸化されていない“何か”に引きずられ、大概は狂っている。つまりそんな狂ったものと同じ地平に立ち、対峙することすらも、正常な魔法使いにとって最も危険な行為なのだ。

・ゆえに正統な魔法使いがネクロマンシーと対峙するためには、それを凌駕する力で対抗することは叶わない。そんなことをすれば魔法衝突(マジカコリジョン)を熾し、大地を穢してしまうからだ。
それを防ぐ術がるとするなら、そのツケは魔法使いが被る他にない。穢れ、呪い、あるいはそれらに似た黒き力に頼り、その代償を払うのだ。そういう意味では、正統な魔法の力で闇魔法に挑んだ蜘蛛目のオイノスは、大きな過ちを犯したとも言える。そしてその代償は、かつて豊であったドラゴニア列島南部が払うこととなった。
・つまりベラゴアルドの住人たち、人間やその他あらゆる種族たちは、通常では闇を打ち破れはしない。もしそれを打ち破れる者がいるとするならば、それは神に似た獣、或いは魔法の根底すら寄せ付けぬ、神秘の存在だけなのかも知れない



キャラ名鑑は不定期で更新します。


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