「今日発売の白骨化スマホって知ってる？」
「何それ」

私の会話よりスマホに視線を落としたままの彼女に告げる。まあいっか、忙しいもんね。

「早速買ってみたんだ。これを使うと…って見せた方が早いか」

意味深な言葉に顔を上げ、私のスマホを見て息を呑む。

表示された彼女のSNSには人様が食べた高級料理やスイーツ、人気スポット、新作コスメの画像を無断で拝借したアカウント先が割り出され、加工していたものも全て元通りに。自分が体験したかのような作り話は全て赤い文字で訂正されている。

彼女のスパダリが背格好の似ている私と彼氏のバックショットで彼女には恋人がいないことも暴かれていた。

そもそもスパダリって何？
ディ○ニーの曲？

「嘘でしょ…？」

食い入るように見つめる彼女にスマホを壊されないうちに席を立つ。

「さよなら」

お代くらいは払ってあげるか。
これから大変だもんね。

でもインフルエンサーが新種のスマホを知らないなんて形骸化が甚だしくて笑っちゃう。

　本当は骨密度分かる系にしようと思ったけれど、他の方も書いていたので路線変更。140字にしようと思ったけれど、まとめきれないので410字になりました。

　最近ふと、外見がタイプと言われるのってうれしいようで、その見た目をキープしてないと嫌われちゃうのかな……って不安に陥りそうなワードだな、と感じたので、形骸化をテーマにしてみました。

人は見た目が九割と言えど、それだけで一旦判断されてしまうと後から自分の本来の姿を見せるのって結構勇気がいるからね……

だから彼女の愚かな行為への苛立ちを感じながらも、主人公なりに友達・・としての最後の忠告をしたといった感じですかね🤔？＜ちなみにスパダリはスーパーダーリンだそう。私には使う機会なさそう😂）

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