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読む・書く・作ることが好き。ささやかなひとときに、ささやかなユーモアとブラックを。遊び…

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読む・書く・作ることが好き。ささやかなひとときに、ささやかなユーモアとブラックを。遊び心も忘れずに今を生きる。

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  • #シロクマ文芸部

    シロクマ文芸部のお題で書いた詩や小説をまとめています。

  • 140字小説

    お題有りも含めて、140字で楽しめる作品を集めてみた結果。

  • つぶやきのへや

    つぶやき投稿の部屋。 ~エッセイから一人大喜利まで~

  • エッセイ集

    エッセイや妄想、オススメ動画などを気まぐれにお届け。

  • お題であそぼ!

    決められたお題で書いた作品集。基本的に一話完結。

最近の記事

8分恋愛小説 『今はまだ儚い春の夢』 #シロクマ文芸部

春の夢というものは いつだって実感が伴わない。 散りゆく桜が 必ずしも掴めるとは 限らないように。  合コンじゃなくとも、男女混合の飲み会ともなれば自ずと話題は恋バナになる。それも披露宴後の二次会ともなれば尚のこと。 退屈そうではないけれど、進んで新郎新婦のクイズゲームに加わるわけでもない彼女に話を振ったのは、なんとなく他の子達とは違う雰囲気をまとっていたからだ。 「潮見さんはどんな人がタイプなの?」 「私?うーん、そうだなあ……あくびの移る人かな?」 俺の思った通

    • 140字小説 『あこがれ』 【春の星々②】

      昔から細部までこだわられたミニチュアに憧れていた私は遂に自分で作るようになった。まずはドールハウス、次にそこに並べる家具…何か物足りないわ…あ、アレね! 「緊急搬送です」「状態は?」「それが…左手の指が五本ともないんです」「事件か?」「いえ、五人家族を作らせてよ!と叫んでます」  あ焦がれすぎた結果でもあるのかと。私もミニチュア作りたい願望はあるよ~!

      • 油揚げの中身はなあに? #レシピ紹介

         私は人に異名をつけるクセがあるのだけれど母にもいくつか異名があり、そのひとつが 油揚げの達人 だ。というのも母は油揚げに詰めるレパートリーがとにかく豊富なのである。母には他にも異名があるのだけれど、何かを収めるのことに長けているという点ではブレていない気がする。 餅・卵といった煮物によく合うものや、納豆といった焼くだけで酒のつまみになるようなスタンダードなものにとどまらず 前日に残ったポテサラや、ハンバーグのタネよりもキャベツやもやし増し増し・やや味付け濃いめにした具

        • 『雪解けアルペジオ』 #毎週ショートショートnote

          一段飛ばしで石段をかけ上る。ランドセルに差したリコーダーが音を立てる。 冬は滑るからやめてねってママに言われていたけど、春になった今なら 「雪解けアルペジオみたいね」 と笑ってくれるはず。ピアノの先生でもあるママが前にアルペジオを教えてくれたんだ。 そもそも元気じゃない人がよく行く場所なのに丘の上に病院があるのが悪い。パパにそう話したら 「車でも上れるぞ」 と言われたけど小学生の僕には運転なんかできない。 病院に着くと水筒のお茶をゴクゴク飲み気合を入れ、エレベー

        8分恋愛小説 『今はまだ儚い春の夢』 #シロクマ文芸部

        • 140字小説 『あこがれ』 【春の星々②】

        • 油揚げの中身はなあに? #レシピ紹介

        • 『雪解けアルペジオ』 #毎週ショートショートnote

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        記事

          久しぶりのコングラボードありがとうございます🤗💕ただいま思考回路が荷物に埋もれてます…またひらめいたら書くか、リメイクするか…物語も循環型社会の時代なのか…な😂?

          久しぶりのコングラボードありがとうございます🤗💕ただいま思考回路が荷物に埋もれてます…またひらめいたら書くか、リメイクするか…物語も循環型社会の時代なのか…な😂?

          駄洒落詩小説 『春ギター』 #毎週ショートショートnote【ねばる編】

          弦を張るためにチューニングして ピックの代わりにピンクのネイルで 春ギターを爪弾くと 夜桜が舞い散る中 共にダンスを楽しむような 軽やかな音色が響き渡る。 駅前で行う私の弾き語り。 もう少したくさんの人に 聴いてほしいなと思いながらも 足を止めて聴き入ってくれるのは 今日も三人。 聴き手を惹きつけようと 時折ボディーを リズミカルに叩いてみる。 トトン♪ くしゅん! トトトト♪ ぐっしゅん! 春ならではの コール&レスポンスで 場が賑やかになったかと思えば

          駄洒落詩小説 『春ギター』 #毎週ショートショートnote【ねばる編】

          オマージュ恋愛小説 『remembrance』 後編

           こちらのつづきとなっております。  ずっと好きだった。きっかけというきっかけは覚えていないけれど、強いていうなら、一目惚れだったのだろう。 同じクラスになったこともないというのに。 全校生徒が集う体育館の靴箱の空きがなくて困ってる子に気づいて声をかけたり、遠足でお弁当を食べ終わった後に誰彼構わず飴を配って回ったり、通学の電車でスッとお年寄りに席を譲ったり…… 目立つタイプではないけれど、いつも誰かを気にかける姿をつい目で追ってしまうそんな存在だった。なのに、その想い

          オマージュ恋愛小説 『remembrance』 後編

          オマージュ恋愛小説 『remembrance』 前編

           ジリリリ……というベルの音に、脳を揺さぶられるようにして目を覚ます。 開ききっていない目蓋の隙間から音の根源を見つけると、そっとベッドから下りて学習机に近づく。アナログの目覚まし時計の隣には一冊のノート。 表紙に書かれた文字に気付き、わたしはアラームを止め、ページを捲った。  パジャマのまま、冷たい階段をゆっくりと下りていく。磨りガラスのドアを開けると 「おはよう詩透。よく眠れた?」 ダイニングテーブルに朝食を並べていた女性がわたしに気づいて振り返る。 「おはよ

          オマージュ恋愛小説 『remembrance』 前編

          20字小説 『新人の花吹雪』 #シロクマ文芸部

          花吹雪舞う。新入社員がシュレッダー壊し。  まさか実話と思ってたりしてなーい😒? よく詰まらせてたけれど、壊してはないからね! シュレッダーよりラミネートの方がえらいこっちゃですよ😇(想像するだけでも嫌になるほど巻き込まれていく熱々シートよ🙈)

          20字小説 『新人の花吹雪』 #シロクマ文芸部

          54字の物語 『花冷え全員集合』 #毎週ショートショートnote④

           入浴縛りもこの辺で。(?) 他の作品もよかったらお楽しみ下さい🤗💕

          54字の物語 『花冷え全員集合』 #毎週ショートショートnote④

          54字の物語 『オバケレインコート』 #毎週ショートショートnote③

           いっそ開き直って、入浴シリーズにしてみました🙈笑🙈  前回の作品を書いていて 「あ! うらめしやと韻踏んでるやん!」と気付き、こんな作品に。母上はたぶん黒のレインコートを後ろ前にでも着てるのでしょう。(私もブレザーでカオナシごっこよくしてたなあ😂え?したことない?うせやん👀!青春の通り道ちゃうん?)なので、父上のツッコミも実はダブルミーニングだったりします🤭(表現を悩んだけども図らずも駆けるも前作とカブッてますなあ~🤔) 💁<事の発端でもある①もどうぞ~)  (よか

          54字の物語 『オバケレインコート』 #毎週ショートショートnote③

          54字の物語 『花冷え全員集合』 #毎週ショートショートnote②

           まさかのお風呂つながりに……でも、いいアイデアが思い付いた気がするぞ🤭?

          54字の物語 『花冷え全員集合』 #毎週ショートショートnote②

          54字の物語 『オバケレインコート』 #毎週ショートショートnote①

           新しいお題の決め方、面白いですね! 宝くじの発表みたいで🤭笑🤭  我ながら銭湯とはベタだなあ、と思いながらも防水性があるなら、こうなるのかなあ、と。太宰治の『美少女』をふと思い出しながら……(改めて読んだら太宰治、家内と老婆のたとえひどくない? 昔読んだ時より時代の流れでよりそう感じるよ……) (裏お題もよかったらどうぞ~>🙋

          54字の物語 『オバケレインコート』 #毎週ショートショートnote①

          詩小説 『風車のお味』 #シロクマ文芸部

          風車はね 風を受けては くるくると 風吹かぬ日には ゆったりと 回って挽いた小麦粉で 焼いてみようか 美味しいパン 水と塩を入れたら こねこねと 手で混ぜていくうちに しっとりと ラップをかけて休ませると ふかふかと 私も休憩 うとうとと 目覚めたパンは ふっくらと 均等に切ったパンのタネを ころころと 塗れ布巾をかけてお眠り のんびりと 温めたオーブンに入れると じわじわと 芳しい香り漂わせて ふくふくと ふくらんだ頭が こんがりと チンの音に駆

          詩小説 『風車のお味』 #シロクマ文芸部

          1分小説 『風車のように目まぐるしい中で』 #シロクマ文芸部

           風車のように目まぐるしい一週間だった。 辞令が出てから、新しい場所をネットで調べ、子ども達に引っ越すことになったと告げる。また家族で住める宿舎を決め、転入先を探し、今子ども達が通っている学校へ転校することを伝える。 並行して、引っ越し業者をピックアップし、大まかな引っ越し日時を定め、見積りと値引き交渉で業者を決める。 学校から帰ってきた娘が業者独自の段ボール箱を見て 「わ~! 今度はパンダさんだー!  アリさんもゾウさんもハトさんも揃って  おうちの中が動物園みたい

          1分小説 『風車のように目まぐるしい中で』 #シロクマ文芸部

          140字小説 『こえだめ』 【春の星々①】

          痩せ信仰を見直すため、ダイエット禁止との校則が加わり、いつでも学食が利用できるようになった。 しかし、いくら食べても太れない体質な上にストレスで痩せ細った生徒が 「理事がメタボだからって校則まで変えるなー!」 と屋上からメガホンで叫んだため理事が学食費で私腹を肥やしていた事が発覚した。  春のパン祭りならぬ、春の星々……今年度も絶賛気づくの遅めです😂😂

          140字小説 『こえだめ』 【春の星々①】